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福島第一原発の今・・・・

 たんぽぽ舎からのメルマガの一部を以下転載。

「ふくいちの今」「汚染水対策の問題点」
  

1 燃料プールと1~3号機

まず4号機の使用済燃料プールの燃料取り出しが完了したことは、一つの朗報ではある。
しかし1~3号機と5,6号機も燃料プールからの取り出しが終わっていないことは忘れては
ならない。
特に3号機の燃料プールは4号機と同様に建屋の損傷があるため危機的状況が続いている。
オペレーションフロアが爆発で破壊され作業の前に瓦礫の撤去などの事前対策をしなければ
ならないが、一昨年に飛散防止剤を薄めすぎて効果を無くすサンプをしていたなど、
依然としてやっていることが信じがたいレベルの杜撰さである。

2号機に至っては、建屋が一見健全なだけに、高濃度放射線の環境が解消できない。
そのため燃料取り出しのめどすら立っていない。
今年は燃料プールの安全性確保のためにも重大な年になる。


2 汚染水対策の問題点

深刻化している汚染水問題について、東電は今年度中の「浄化」完了を目標に掲げて
いるという。
汚染水から大半の放射性物質を除去する「多核種除去設備(ALPS)」は9~10月に2基を
追加し、試運転ながら3基体制で汚染水を処理中だ。
しかし毎日数百トンずつ増え続ける分も処理しなければならず、現状を維持するのがやっと。
汚染水の量を抑制しようと昨年5月に建屋へ流れ込む前の地下水を35メートルの位置で井戸
からくみ上げ、海へ放出する「地下水バイパス」を、反対の声を押し切って強行した。

6月には1~4号機建屋周囲の地盤を凍らせて地下水の流入を遮断する「凍土遮水壁」の
工事を始めたが、埋設物が多数あるままでは囲うことはできない。
特に海側のトレンチ(海水配管やケーブルが通る地下隧道)内の汚染水を抜き取る作業が
難航している。

現在、トレンチにはセメントの注入が続けられている。
しかしトレンチの底部には津波により持ち込まれた土砂が堆積し、これに高濃度汚染水が
含まれてしまい、除去不能な状態になっている。
セメントでトレンチ内を固め、汚染水を抜き取ったとしても、土砂の層に含まれる放射能のために、
トレンチの亀裂から地下水が流入して汚染水となり、それがまた漏れ出す。
背に腹はかえられぬとばかり、大規模な漏えいにつながるトレンチ内の汚染水除去を優先
するため、コンクリート注入工事は続行されているが、将来に大きな不安を残した。


3 汚染水の状況

2号機のトレンチにはタービン建屋から流れ込んだ汚染水が約5000トン溜まっている。
再び大地震や津波が発生したら汚染水の大量漏えいにもつながりかねない。
東電はコンクリートに押されて汚染水が完全に除去できると考えた。
しかし津波で運ばれた土砂があることが昨年11月に明らかになった。
東電の推定は砂に約25トンの汚染水が含まれるとするが、実際に量れるわけでもない。
トレンチの底は地上から約12メートル下。「セメントでふたをしたような状態」になるため、回収は困難だ。
トレンチ付近の空間線量は毎時1ミリシーベルト程度と高いため、作業は極めて困難である。



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