放射線審議会への質問及び要望
原子力規制庁の諮問機関である放射線審議会が
放射線の管理を場の線量(空間線量)から個の線量(個人線量)へ変更する為の
審議を実施している。
個の線量になれば同じ家族であっても
被ばく線量値が異なる。
この事は家族間の分断、地域間の分断、職業毎の分断等、
大きな社会問題がでてくる可能性がある。
敢えて個の線量にする理由は何か?
多くの疑問と問題がある。
放射線の管理を場の線量(空間線量)から個の線量(個人線量)へ変更する為の
審議を実施している。
個の線量になれば同じ家族であっても
被ばく線量値が異なる。
この事は家族間の分断、地域間の分断、職業毎の分断等、
大きな社会問題がでてくる可能性がある。
敢えて個の線量にする理由は何か?
多くの疑問と問題がある。
昨年6月(第141回)と9月(第142回)の審議会では
伊達市の個人線量データの不正入手やデータの改ざん、間違い等で
問題となっている早野・宮崎論文や
過剰にバックグランド値を引き過ぎた二本松市のデータ
捏造とも言えるデタラメな論文や報告書を基に審議している。
そこで、放射線審議会及び事務局である原子力規制庁・企画課へ
以下の質問と要望事項を提出した。
伊達市の個人線量データの不正入手やデータの改ざん、間違い等で
問題となっている早野・宮崎論文や
過剰にバックグランド値を引き過ぎた二本松市のデータ
捏造とも言えるデタラメな論文や報告書を基に審議している。
そこで、放射線審議会及び事務局である原子力規制庁・企画課へ
以下の質問と要望事項を提出した。
第141回放射線審議会の資料は以下。
http://www.nsr.go.jp/data/000235881.pdf
第142回放射線審議会の資料は以下。
http://www.nsr.go.jp/data/000246876.pdf
放射線審議会御中
cc原子力規制庁・企画課御中
平成31年1月15日
放射線審議会の日頃からの御尽力に感謝申し上げます。
福島第1原子力発電所事故後の内部、外部被曝線量値の実態に関しては、多くの市民・県民・国民、そして
自治体や政府、専門家も注視しており、より正確で誰もが納得いく追加被ばく線量値(内部・外部被ばく)が求められております。
そして、より正確な追加被ばく線量値を追及・再検証し、真実を国内外に発表する事が、将来、国内外の多くの場面で必ずや貢献できるものと考えます。またより真実に近いデータを基に審議する事が、国内的にも国際的にも日本の信頼向上につながり、又日本の科学技術向上にも貢献できるものと信じております。
複数の専門家の意見も聞きながら、第141回及び第142回の放射線審議会の資料の問題点や疑問点そして矛盾点等については【質問】、そして要望事項については【要望】という形で纏めてみましので、是非、審議会でご検討いただき、福島県民はじめ国民の命と健康を守る為にも見直しを前提とし、再検討をお願いするものです。
【質問1】
現存被ばく状況が適用されている期間が明らかとされていません。原発事故から8年経過しようとしています。
ICRPでは現存被ばくでの参考レベルは1~20mSv/yのできるだけ低い値とすべきとしていますが、日本政府は緊急時被ばく時と同じ、現存被ばくの参考レベルの最大値の20mSv/yを、事故後8年になろうとする現在も適用しています。
放射線量が下がった現在、現存被ばく状況(1~20mSv/y)の最大値を現在も適用している事は、健康で生きる国民の権利(人権)を保証している憲法に違反しているのではないかと思います。
ICRPからも2012年3月に以下のメッセージが出されているにも関わらず、日本政府は無視し続けています。
http://www.icrp.org/docs/Fukushima%20One%20Year%20Anniversary%20Message.pdf
又原子力委員会でも『ICRPは現存被ばく状況に適用されるバンドの1〜20mSv/年の下方の線量を選定することとなる。その際、状況を漸進的に改善するために中間的な参考レベルを設定することもできるが、長期的には、年間1mSv を目標とする。』としています。
http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/9483636/www.nsr.go.jp/archive/nsc/anzen/shidai/genan2011/genan054/siryo4.pdf
更に、国連人権理事会は『日本政府は被ばく線量が年間20mSv/yを解除要件としているが、年間1mSv/y以下が適切だ』と20mSv/yは人権侵害であると提言していますが、これにも日本政府は科学的にも論理破綻しているとも言える理由で反論しています。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201810/CK2018102602000137.html?fbclid=IwAR0SYG9d1meVl7UuuwsLKpY-uvFk7dK4YZji-a_9OzTL7bj6_fEotE37Ou8
そこで以下質問です。放射線審議会のご見解をお聞かせください。
①現存被ばく状況の適用期間とその適用条件と適用地域(東京も含まれているのか?)
②ICRPの現存被ばく状況の参考レベル(1~20mSv/y)の最大値20mSv/yを8年後も
適用している理由。
③20mSv/y (20mSv/y×8年=160mSv) の健康(科学的・医学的・疫学的側面から)及び人権
(憲法、国際法、社会的側面等から)、そして国内法上(ICRPの勧告含む)その妥当性の説明。
④この線量は実効線量と捉えるべきでしょうか?又その根拠を示してください。
⑤もし実効線量とした場合、実用量としての測定方法の基準を示してください。
⑥原発事故後8年も経過し放射線量が下がった今、ICRPや原子力委員会が言っている「中間
的な参考レベル」の設定は何故しないのでしょうか?
放射線審議会で議論していただくようお願いいたします。
⑦「長期的には1mSv/yを目標」について、その条件や時期、そして20mSv/yの見直しを
放射線審議会で議論していただくようお願いいたします。
以下は第141回放射線審議会の資料(141-4-1)についてお尋ねいたします。
【質問2】
放射線審議会の141回の資料は空間線量率と実効線量の関係の整備と題して、『個人線量計の実測に基く追加被ばく線量を「個人線量当量」』としていますが以下の疑問があります。
『放射能がばら撒かれた福島県内で(ROT条件下)個人線量計で測定すると、AP条件下 での測定値の約0.7倍になり、その数値が周辺線量当量から実効線量当量への換算係数(約0. 6)に近い値になっています。
しかしながら、医療従事者は線源が1か所のAP条件下での実測となり、それを個人線量当量としています。
従い、同じ個人線量当量でもROT条件下とAP条件下では約3割の違いがあり、個人線量当量がダブルスタンダードとなっていると考えます。
医療従事者や放射線取扱者よりも乳幼児や子どもを含む一般国民(福島県民)の方をより厳しく(低線量に)すべきですが、現在は逆になっています。少なく医療従事者等と同等かそれ以下に見直すべきと考えます。
放射線審議会のご見解を聞かせください。
【質問3】:P13の図7について
①相馬市や伊達市のデータのうち、都合の悪い(被曝線量の高い)データは削除し、都合の良
いデータのみを抽出してグラフ化している理由
②サンプル数が極めて少ない理由
③この(①と②で示したように)加工されたグラフが科学的なデータとし審議会資料として提出さ
れた理由
【質問4】:P14のグラフについて
①福島市、二本松市、伊達市、郡山市のそれぞれのバックグラウンド(BG)値はいくらですか?
②いつの時点で調査したデータですか?
③BG値が過剰に引かれているこれらのデータが審議会で使用されていますが、妥当と考えま
すか?(詳細は【質問5】をご覧ください)
④もし妥当だとするならば、その理由をご説明ください。
注:小生の調査によれば、福島市と伊達市は千代田テクノルのガラスバッジを使用し、年間
0.54mSv/y。(原発事故前の千代田テクノル(株)の研究所の大洗の空間線量値)
二本松市は1.02~1.26mSv/y、郡山市は0.63~0.70mSv/y。
(原発事故以降に市役所内で測定したコントロールバッジの値)
【質問5】:P14のグラフについて(続き)
個人線量計(ガラスバッジ)の測定値は空間線量値の約0.7倍になり、子ども達の行動パターンから推定する
BG値は二本松市では0.24mSv/y程度になり、BG値が過大に引かれています。
詳細は以下の小生のブログをご覧ください。
【二本松市の個人線量測定のデタラメ】
https://nimosaku.blog.so-net.ne.jp/2018-11-04
【二本松市民のみなさまへ】
https://nimosaku.blog.so-net.ne.jp/2018-11-16
小生の実証試験の以下の論考『個人線量測定で明らかになった事』に対する放射線審議会の
ご見解をお願いします。放射線審議会のご見解として相違がある場合は、具体的にどこの部
分が相違するのか、その理由等も含めてご見解をお聞かせください。
【個人線量測定で明らかになった事】
https://nimosaku.blog.so-net.ne.jp/2018-07-17
【質問6】:P15のグラフについて
①飯館村民38人の年齢構成、男女構成、職業構成はどのようになっていますか?
又屋外で仕事をしている人は対象になっていますか?
(飯館村民がこの時期に屋外に出ている人はいなく、飯舘村村民を対象にする事自体は統
計的な正確性、正当性の点からも疑問)
②伊達市や他の市町村のデータでは個人差が大きく、バラツキも大きく表れています。
しかし、飯館村のこのデータでは直線状にサンプルが並んでいます。その理由を教えてください。
科学的なデータ(報告書)としては正確性や正当性に欠けるのではないでしょうか?
③サンプル数が38人と非常に少なく、この報告書をもとに審議会で議論をし、結論を出す事
が正当とする統計的・科学的な論拠を教えてください。
【質問7】:P16のグラフについて
①空間線量から国が試算する線量値(空間線量値の0.6倍、青色の線)を超えて被ばくし
ている人もいます。屋外で8H以上、屋外で働く人(農水産業や土建業等に携わっている
方等)と推定されます。従い、青色の線量値を一つの目安とする事は市民のリスク管理
からは正しいものと考えます。なぜ平均値で議論しているのかの論拠を示してください。
むしろ最大値で議論すべきではないでしょうか?
②個人線量計の計測に基づき、個人線量当量を採用した場合は、同じ家族であっても被ば
く線量値が異なります。この事は家族間の分断、地域間の分断、職業毎の分断等、大き
な社会問題がでてくる可能性があります。この分断を無視してまでなぜ、個人線量当量
での管理を議論しているのでしょうか?その理由を教えてください。
住民や市町村、福島県の意見も聞くべきと考えますが、意見は聞いたのでしょうか?
公聴会の開催も必須です。
③伊達市の個人線量測定に関する早野・宮崎論文は個人情報の取り扱いに不正があった
事が判明しました。また上記①で指摘した平均値での議論、バックグラウンド値の引き
過ぎ、データを3倍に捏造(錯誤?』したという事実、他にも論文の内容に関しても黒川眞
一氏らから多くの間違いを指摘されています。詳細は以下ご覧ください。
https://webronza.asahi.com/science/articles/2017051000005.html?vcode=1M3AhqpZEtJ4gKSJejp9ca0o%2BojyPUkZVN6MVY4sGeff2VAq%2FWe4Uq%2F5TEZniZjF&fbclid=IwAR3myIi_ELLrl9yIPFLqRtgpSKdvoGC7kFLUz_ylPgQbAEibZt9vUqjF4Zk
こうした中で、この論文を採用する事は放射線審議会の信頼を損なうものと考えます。
放射線審議会のご見解をお聞かせてください。
尚、批判記事は以下をご覧ください。
https://hbol.jp/183049
報道記事は以下ご覧ください。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39764010Y9A100C1000000/
以下は要望事項です。
【要望1】
審議には消費者や被害者の意見も取り入れるべきです。
以下要望します。
1.審議委員には消費者や被害者(福島県民)の代表(参考人としてでも)も加えてください。
2.公聴会を少なくとも福島県、東京、大阪を含め全国で実施してください。
3.質問1~6に示した資料のデータに不正や間違い、捏造、疑問が明らかになりました。
正当な資料に基づき、上記1の審議委員を加え、審議のやり直しを実施ください。
【要望2】
現存被ばくについて扱う責任ある省庁がありません。(以前は内閣府と原子力規制庁?)
いつまでが現存被ばくの適用時期なのか、その時期を判断する責任省庁はどこでしょうか?
20mSv/yの見直しはどこの省庁が管轄・実施するのでしょうか?
この放射線審議会がまとめ原子力規制庁が答申し内閣府が最終決定するという事でしょうか?
是非責任ある省庁を決定し、現存被ばくの有り方について早急に審議してください。
但し、決定プロセスでは必ず住民・市町村・福島県の意向を確認してください。
【要望3】
現在の個人線量測定方法は各市町村個別の判断で実施しており、そのデータの信頼性には
大きな疑問と問題があります。
このようなデータを利用している事自体が放射線審議会の信頼を揺るがすものになっています。
そこで以下要望します。
1.二本松市のBG値(1.02~1.26mSv/y)に対する問題点の指摘と改善策の提案。
2.事故後の追加分の個人線量測定の問題点(二本松市も含めた)に関する議論と見解の公開。
3.現在各市町村がそれぞれ独自に実施している個人線量測定方法のガイドライインの策定
と福島県、及び各市町村への提言。追加被ばくの個人線量値にはBG値を必ず明記する、
あるいはBGを含めた個人線量値を示す方法もご検討ください。
以下は第142回放射線審議会の資料(142-2)についての要望です。
【要望4】:P4の表2について
基準値から水道水を外しています。飲料水の中に井戸水や水道水も入れるべきです。
(管理目標値には水道水も含まれている?)
【要望5】:P5の記述について
1.『「乳児用食品」及び「牛乳」については小児の期間は感受性が成人より高い可能性がある
ことを踏まえて「一般食品」の2分の1の50Bq/kgを基準値としている。』としています。
乳幼児の放射線に対する感受性は大人の5倍以上とも言われています。
乳幼児の生物学的半減期は大人の半分?程度だとしても、これから生きる時間が長い
乳幼児は大人の1/5程度(注1)にすべきです。
注1:感受性(5~10倍程度、年齢によって異なる)、生物学的半減期(2分の1程度、
年齢によって異なる)、摂取量(年齢のよって異なる)等を考慮し、余命が長い事
から更に2分の1~4分に1程度をかけた値にすべき
2.ヨウ素を基準からはずすのはおかしい。今後原発事故が発生した場合も想定し、
ヨウ素の基準も入れておくべきと考えます。(緊急時の基準として参考程度にも)
【要望6】:食品全般について
1.食品の内部被ばくの線量計算時にはICRPの換算係数(Bq→mSv)を利用していますが、
この係数が必ずしも正しいものとは言えないとする一部の専門家もいます。
又ECRR等では、ICRPの換算係数の数倍~数十倍としています。
又放影研等では内部被ばくに関する検討を放棄しています。この換算係数が正しいと
する根拠を教えてください。 ICRPが正しくECRRが間違っているという根拠も合わせて
教えてください。
又、換算係数の見直しをICRPと共に実施してください。(ICRPに要望ください)
もし見直しに時間がかかる場合には、ICRP委員らと相談し安全側になる暫定的換算
係数を採用すべきです。
2.食品の残留放射能に関する日本と海外(EU、アメリカ、コーデック)との比較では海外基準は
緊急時の基準との比較であり、比較する対象が違っています。
逆に食品によってはウクライナやベラルーシの基準の方が日本よりも厳しいのです
(以下のURL参照)。
政府は「日本は世界で最も厳しいレベルの基準を設定して食品や飲料水の検査をしており」と
うたっていますが緊急時の基準値を並べて日本の値を厳しく見せ、「世界で最も厳しい」と
印象づけようとしています。
ICRPのBq→mSvへの変換係数が5分の1程度と小さいとの専門家の意見もあり、食品に
よってはもっと厳しくても良いのではないでしょうか?
http://anti-hibaku.cocolog-nifty.com/blog/2018/12/post.html
以上よろしくご検討・御回答をお願いいたします。
二本松市 ×× ×
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