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文科省に『放射線副読本』の回収要請

文科省が昨年11月に1450万部、総額1億7900万円を使用し小学生から高校生まで配布した放射線副読本内容は風評払拭・リスクコミュニケーション強化戦略を前面に押し出したもので、原発事故の反省姿の部分は削除。『原発の安全神話』が崩壊した今、今度は子ども達へ『放射線の安全神話」を刷り込み始めた。

文科省に以下のメールを送付した。



文科省初等中等教育局教育課程課
望月課長殿
橋本専門官殿
課内関係者各位殿


文科省が昨年11月に改定(改悪)された放射線副読本の内容について市民や学者から 多くの批判がでています。初めは、『放射線副読本』ですから、放射線のことが説明されていると思い込み、目を通したところ、いじめや復興の記述があり、全体の構成が不可解で違和感が残りました。又滋賀県野洲市では放射線副読本の回収を決定しました。

何故いわれないいじめの問題が発生したか?はそもそも誰が原因を作ったのか?いじめの加害者は子ども達であり、悪いのはいじめる子どもであるとの印象が強く、原因を作った国・東電の反省がすっぽりと抜けています。

そして風評被害とかたずける事は国と東電の加害者を消費者に転嫁する都合の良い言葉です。
更に、初期被ばくには一切ふれず、内部被ばく検査結果で健康に影響のないレベルと(14P)言い切っていますが、これではヨウ素による初期被曝した子ども達(甲状腺がんに罹患した子ども達も)や家族は救われません。

全体的に復興を進み、原発事故は過去のものであり、放射線安全神話を子ども達に刷り込む印象操作をしている悪質な副読本であると言えます。
しっかしと国・東電の責任を子ども達に伝えるとともに、いわれなき被ばくをさせる事に対し子ども達への謝罪と反省も追記すべきです。

又原発事故の加害者責任にまったくふれず、原発事故の悲惨さにも蓋をしてしまったいる事に、被災者としても違和感を覚えますし、子ども達への教育として果たして正しい事なのか?
アベ晋三が「過去も現在も未来も放射線の健康影響は無い」と言い切ってしまった事によって、東京五輪までに原発事故が無かった事にしたい政権によって、子ども達までもが不都合な真実を知る事ができなくなってきた事に、大きな危機感を感じます。

福島県の國井博指導主事が協力者として掲載されておりますが、どのような協力をしたのか、そして今回の改定(改悪)の趣旨・目的は何だったのかも教えていただきたくお願いいたします。
福島県の教育委員会の指導主事や鈴木元さんが協力者となっていながら、このような改悪をしてしまった事は非常に残念です。

1450万部も印刷し、『原発の安全神話』が崩壊した後には、子ども達に『放射能の安全神話』をすり込むやり方は国家的犯罪ではないかと思えるほどです。このような改悪された放射線副読本を一旦小・中・高校から回収すべきと考えます。

以下はこの副読本に関する評価記事や意見です。(他にもあり)

1.
改定(改悪)した放射線副読本についての問題点を2014年版との比較してくれた福島大学準教授の後藤忍さんのパワーポイントを入手しました。(福島市での講演も聞いてきました)
本人のご了解を得ましたので、公開致します。(添付)内容分析のまとめは42と43ページに記載されています。

2.
滋賀県野洲市の回収に関する記事は以下ご覧ください。
原発事故より「安全性ばかり強調」国の放射線副読本を野洲市教委回収

文部科学省が全国の小中学校と高校に昨年配布した「放射線副読本」の最新版について、滋賀県の野洲市教育委員会が、福島第一原発事故の被災者の心情に配慮せず、安全性を強調していることを問題視し、回収を進めていることが分かった。


改訂前に比べ、原発事故の記述よりも日常生活で受ける放射線量などの説明を優先した内容に、福島県からの避難者が憤りを表しているほか、専門家も「放射線被ばくのリスクは大したことがないと思わせる印象操作だ」と批判している。(後略) (4月25日「京都新聞」より抜粋)
  詳しくはこちらを
  https://s.kyoto-np.jp/top/article/20190425000018

3.
「放射線のホント」の問題点について市民団体がまとめたものが以下
政府が作成した「放射能のホント」は間違いだらけです。放射能被害を小さく見せようとする意図がありありで、子ども達への教育資料としては適当ではないと考えます。

  放射線被ばくを学習する会が作成した以下をご覧ください。
  http://anti-hibaku.cocolog-nifty.com/Hopnto_haikann/HontoVer3-2-comp.pdf

4.
全体的に復興を進み、原発事故は過去のものであり、放射線安全神話を子ども達に刷り込む印象操作をしている悪質な副読本であると言えます。
しっかしと国・東電の責任を子ども達に伝えるとともに、いわれなき被ばくをさせる事に
対し、子ども達への謝罪と反省も追記すべきです。

5.
何故いわれないいじめの問題が発生したか?はそもそも誰が原因を作ったのか?
いじめの加害者は子ども達であり、悪いのはいじめる子どもであるとの印象が強く、
原因を作った国・東電の反省がすっぽりと抜けています。

6.
そして風評被害とかたずける事は国と東電の加害者を消費者に転嫁する都合の良い言葉です。更に、初期被ばくには一切ふれず、内部被ばく検査結果で健康に影響のないレベルと(14P)言い切っていますが、これではヨウ素による初期被曝した子ども達(甲状腺がんに罹患した子ども達も)や家族は救われません。

7.LNTや子ども感受性について何故削除したのか?
放射線の最も基本的な原則(ICRP)をの削除したのか?放射線のいろはを復活させる
べきです。

8.EU,米国,コーデックスの値は緊急時の基準値であり,平常時の基準値は低いため,比較することは妥当でない。米国分は、自国内で事故がおきた場合の緊急被ばく状況
に対応するものとなっています。
日本の基準値は、「平常時の基準」ではなく現存被ばく状況に対応したものとなっています。
 https://ndrecovery.niph.go.jp/qaspot.php?record_id=578

9.例えば、17ページの「食品安全に関する基準」は印象操作と言わざるをえません。
「日本の基準値は、 他国に比べ厳しい条件の下設定されており、世界で最も厳しい
レベルです。そして、厚生労働省は、基準値を超える放射性物質を含む食品が市場に出回ることのないように厳しく見守っています」 安心のためには、「世界で最も厳しいレベルです」という印象操作のような表現ですが、安心を優先させたため、本来、放射線教育で学ぶべき事柄が脚注(以下に引用)になり、小さな字で書かれています。

10.いじめの防止には、科学的な知識の獲得とともに、相手のことを慮る気持ちの醸成
こそが大切であると思います。すでに、事故から8年以上が経過し、この副教材の対象者である中学生は事故時の記憶がない世代になりつつあります。


事故を、そしてその後の経過がどのようなものであったと記述し、伝えていくべきです。復興を放射線副読本に取り入れるのであれば、きれいな面を切り取った広告のような記述ではなく、復興のために放射線をどのようにして生活の場から減らしたのか、放射線への恐怖をどのようにして乗り越えたのかを記述されるべきです。


ご意見・反論を賜れば幸甚です。











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