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トリチウム汚染水問題

以下はたんぽぽ舎のメルマガの一部を転載。(一部修正)

【福島第一原発汚染水問題】
 
増える原因は、失敗した「凍土壁の間から侵入する地下水」と建屋の破損した穴から雨水の浸入。東電は、福島第一原発の汚染水について海洋投棄を前提に考えていますが、現段階ではあくまでも「国の方針に沿って」と、経産省が決定することであるとの立場。

検討を求めた「地下埋設」は「固化により体積が3~6倍となり貯蔵継続より敷地が必要」という立場ですが、これは認識不足。体積が大きくなっても敷地投影面積は地上タンクよりも少なく出来る。地下深く掘れば地上部分の専有部分を小さく出来ますし、重量構造物でなければ埋設保管施設の上部を使うことも出来る。

「多核種除去設備等処理水の取扱いに関する小委員会報告書」では「海洋処分」と「蒸発処分」しか書かれていません。敢えて被ばく評価が海洋処分よりも大きい「蒸発処分」が受け入れられるはずのないことを見越して、海洋処分にならざるを得ない誘導をしていると考えられる。
東電は「貯蔵継続」について、「メリットとして年月の経過に伴いトリチウム量が約12年でほぼ半分、約24年でほぼ4分の1となる」ことを認めている。

一方で「デメリットとして貯留する処理水量が増加し続け、発生量が1日当たり150立方メートル/日の場合、12年で約66万立方メートル分(現状のタンクエリアの約半分)、24年で約131万立方メートル分(現状のタンクエリアと同等)のタンクが追加で必要となります。」として、貯蔵場所がなくなること、他の設備を作る場所を圧迫し廃炉処分に支障を来すことを否定的な理由としている。

そのため『上記の小委員会報告を踏まえつつ』と、責任を国に押しつけつつ『「多核種除去設備等処理水を貯留するタンク」「使用済燃料や燃料デブリの一時保管施設」「今後具体化を検討する施設」も含めて、発電所敷地全体の活用を検討してまいります。』と未だ検討中であることを強調している。

既に公表されている東電資料では、海洋投棄のシミュレーションでは40年程度を掛けながら行われるので、その間は貯蔵タンクも維持し続けることになる。海洋放出を避けて貯蔵を続けるために、トリチウムを濃縮して減量することもできるから、カナダやフランスで実用化されている技術を使うべきと指摘した。

やりとりの中でも指摘し、東電も認めたのは、染水問題の根幹が「今後も汚染水が増える」こと。現状の量で増えなければ問題はさほど大きくはありませんし海洋投棄する必要もない。

増える原因は、失敗した「凍土壁」の間から侵入する地下水と、建屋開口部(実際には破損した穴)の閉鎖が進んでいないことで起きる雨水の浸入。昨年の豪雨でも侵入雨水、地下水の量が増加したため、一日当たり150トンの目標は実際には180トンに増えてしまいました。これこそが福島第一原発の汚染防止対策で緊急性が高い問題なのです。

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