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原発廃止は自然の声

以下はたんぽぽ舎からのメルマガを転載

原子力規制委員会が関電に与えた大飯原発の設置許可を「違法」として取り消した。いわば原発巻き返しの出ばなをくじいた。日本の自然と地理的条件を無視した原発から、一日も早く撤退をすべきだ。それが自然の声なのだ。


◆原発廃止は自然の声
  日本の自然と地理的条件を無視した原発から
   一日も早く撤退をすべき

                  鎌田 慧(ルポライター)

地球温暖化を口実に菅内閣は、電力会社支援の原発再稼働推進を公然と主張している。一種の火事場泥棒の類い(たぐい)だが、4日の大阪地裁判決は、原子力規制委員会が関電に与えた大飯原発の設置許可を「違法」として取り消した。いわば原発巻き返しの出ばなをくじいた。

規制委は、経済産業省内に置かれていた「原子力安全・保安院」が、露骨に電力会社寄りだったので廃止、その代わりに新たに設置されたのだが、原子力「無規制」委員会として評判が悪かった。
今回の大阪地裁判決は関電が設定した手前みその「基準地震動」を、規制委が認めたのは「過誤、欠落、不合理」という厳しいものだ。裁判所にも正義がもどってきた。これは各地での運動の成果と言える。

この感動は2014年5月、福井地裁で樋口英明裁判長の大飯原発再稼働を差し止め決定からはじまった。2015年4月、樋口裁判長の高浜原発再稼働差し止め仮処分決定、そのあと大津地裁、広島高裁と差し止め決定か続いている。

そもそも避難訓練付きの工場とは、事故を前提、許容している工場である。事故はチェルノブイリや福島(第一原発)事故のように、すべて回収不能、黙示録的な悲劇だ。誰が許可できるのか。日本の自然と地理的条件を無視した原発から、一日も早く撤退をすべきだ。それが自然の声なのだ。(12月8日東京新聞朝刊23面「本音のコラム」より)


◆原子力規制委の問題点を指摘した-柏崎差し止め訴訟原告

関西電力大飯原発3,4号機の設置許可を取り消した4日の大阪地裁判決について、新潟地裁で係争中の東京電力柏崎刈羽原発運転差し止め訴訟の和田光弘・原告弁護団長は「全国の原発訴訟に影響する大きな判断だ」と歓迎した。

大飯原発訴訟で争点となった地震動の評価方法については、柏崎刈羽原発を巡る訴訟でも原告側が指摘し、争点となっている。和田氏は「国の原子力規制委員会の審査手法は柏崎刈羽原発も同じ。規制委のやり方では駄目だと判決は言っている」と強調。「耐震対策でこれ以上投資したくないのが電力会社の本音で、地震動の過小評価につながっている。その電力会社の評価を是認した規制委の問題点を、判決は指摘した」と分析した。

柏崎刈羽原発の安全性を議論する県技術委員会委員の立石雅昭新潟大名誉教授(地質学)は「判決は規制委の検討が不十分との指摘で,(確定すれば)柏崎刈羽を含む全国の原発の審査結果がひっくり返るような話。今後、県技術委でも耐震問題をあらためて取り上げたい」と語った。
  (12月5日「新潟日報」29面。紙面のみでネット上に掲載なし)

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