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甲状腺被ばくの真相を明らかにする会のシンポジウム

2月23日に開催した『甲状腺被ばくの真相を明らかにする会のシンポジウム』では甲状腺がんに関する福島医大の大平論文や福島県健康調査検討委員会、評価部会の結論に対する多くの反論がでた。シンポジウム後の自由討議を含めると7時間に渡っての非常に内容の濃い議論ができた。

論者の資料は以下をご欄ください。
【原発事故による甲状腺被ばくの真相を明らかにする会(明らかにする会)】
http://fukushimakyoto.namaste.jp/akiraka/

そして参加者多数によって以下の決議文が採択された。

決議文

本日、私たちは福島甲状腺がんの真相を明らかにするためにシンポジウムを開催し、以下の点を確認し決議する。
1. 福島県民健康調査によって発見された小児甲状腺がんの顕著な多発は、本シンポジウムで示された疫学的検討からも、福島原発事故による放射線被ばくの影響であると考えざるをえない。

2. 福島県立医科大学県民健康調査グループは、甲状腺がんと外部被ばく線量との相関を否定し、肥満とは正の相関があるとする「エピデミオロジー論文」(Epidemiology、30 巻、 6 号、2019 年)の結論を撤回し、甲状腺がん増加への放射能の影響を否定できない旨の訂正をなすべきである。

3. 福島県健康調査検討委員会「甲状腺検査評価部会」は、「本格検査(検査 2 回目)に発見された甲状腺がんと放射線被ばくの間の関連は認められない」とする「評価部会まとめ」(2019 年 6 月)を直ちに撤回すべきである。

4. 検討委員会は、上の「評価部会まとめ」の承認を取り消し、本格検査(検査 2 回目)に発見された甲状腺がんと放射線被ばくとの関連を認めるべきである。

5. 県民健康調査「甲状腺検査」は継続されるべきである。検討委員会および福島県は、経過観察中に、ならびに県民健康調査以外で、甲状腺がんと判明した実数を把握し公表すべきである。また、事故当時成人であったもの、事故後誕生したものへの検査の拡大も検討すべきである。

6. 福島原発事故の加害者である政府と東京電力は、全ての被害者(被ばく者、避難者、生業を失った人など)に対して事故責任を認め、そのすべての被害を補償すべきである。以上決議する。

2021 年 2 月 23 日福島甲状腺がんの真相を明らかにする 2・23 シンポジウム参加者一同


2 の補足説明福島医大の Epidemiology(エピデミオロジー、“疫学”の意)論文の結論は以下のようでした。

1. 個人外部被ばく線量と甲状腺がんの発生率とは関連しない。
2. 地域外部被ばく線量と甲状腺がんリスクの増加とは関連しない。
3. 肥満と甲状腺がんの発生率との間には正の相関があった。

「明らかにする会」は、論文に発表されているデータにもとづいて、内容を詳細に検討し、論文とは真逆の結論が導かれることを明らかにしました。
1. 個人外部被ばく線量に従って甲状腺がんの発生率は高くなった。
2. 地域外部被ばく線量が大きい地域で甲状腺がんのリスクが増加した。
3. 肥満と甲状腺がんの発生率との間には相関がなかった。

つまり Epidemiology 論文の結論は誤りでした。この論文から、むしろ、福島小児甲状腺がんの発症と被ばくとの関連が証明されたのです。そこで「明らかにする会」は、論文著者に対して誤りを指摘した「公開質問状」を送りました。(2020 年 11 月 1 日)未だに質問に対する回答がありません。

3 の補足説明本格検査(検査 2 回目)では、地域別の悪性ないし悪性疑いの発見率(10 万人対)および先行検査からの検査間隔により調整した発見率(10 万人年対)のいずれも、避難区域等 13 市町村、中通り、浜通り、会津地方の順に高く、被ばく線量や放射性セシウムによる土壌汚染と明らかに強い相関を示し、線量の増加に応じて甲状腺がんの発見率が上昇するといった一貫した関係が見出されました。

放射性セシウムとヨウ素 131 などの放出・拡散がかなり一致していたためと思われます。それにもかかわらず、「甲状腺検査評価部会」は、突然、4地域による解析を中止しました。国連科学委員会が推計した甲状腺吸収線量を持ち出し、線量の増加に応じて発見率が上昇するといった関係は認められないとする結論を出したのです。そもそも国連科学委員会の推計は放射性ヨウ素の沈着・吸入・経口摂取の評価が不十分です。


今後どのように原子力ムラの福島医大や検討委員会、評価部会に対応していくかが大事。以下その案を検討してみた。

1.科学的・医学的な議論の深耕
(論文発表、甲状腺がん学会や保健物理学会等での発表、科学雑誌やWEB RONZAへの寄稿・投稿、検討委員会・評価部会メンバーへの資料提供※と議論等)
  ※評価部会長鈴木元さん、福島県、保健物理学会そして福島県議には資料を提示済
    
2.政治的な対応
(県議会☆・国会での質問 国会議員や県会議員へのレクチャー、ICRP・内閣府・環境省・規制庁・厚労省、経産省への情報提供、福島県や福島医大への情報公開請求等◆)
  ☆3月に謀福島県議が議会で3月下旬の甲状腺がん等について質問予定 
   
3.社会的な対応(メデイア、市民)
(プレスリリース★、記者会見、記者への丁寧な説明、地元紙や地元月刊誌への投稿,、東京新聞や週間金曜日等で取り扱ってもらう)
  ★福島県庁の記者クラブ17社にプレスリリース投げ入れ済み?

新たなシンポジウムの開催で、参加者によっては1、2、3共に実現可能ではあります。

◆またシンポジウム中、チャットで問題視されている浪江町町民に対するスクリーニング(弘前大)が福島県の指示で止めさせられた事に関する情報公開請求する事に関し、以下の情報開示を請求する必要がある。

①中止の指示をした事実はあるか、それは何日の何時か?⇒測定開始は2011年4月12日※
②それはどのような手段で中止の指示を出しか?(現場での指示、電話での指示等)⇒電話※
③指示した相手はは弘前大学の誰か?⇒床次教授※
④中止指示の理由は何か?⇒福島県地域医療課※
⑤中止指示を出した担当責任者は誰か?県知事は知っていたか?
⑥中止指示は県独自の判断か?それとも国からの指示はあったのか?
⑦中止で得られたものは何か?中止で失われたものは何か?
⑧スクリーニングの実施な何の法に基づいて実施したか?また中止指示はどの法のどの項目に基づいて実施したか?
注:※の部分は以下の著書『福島が沈黙した日 原発事故と甲状腺被ばく』に記載されている。

この事実について東京新聞社の榊原記者の著書(第三章と第四章)に書いてある。
集英社新書『福島が沈黙した日 原発事故と甲状腺被ばく』 著者 榊原崇仁

https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-721151-1

第四章 2011年3月17日
  本来の対応/避難者の甲状腺も測るはずだった/
  スクリーニングも甲状腺を意識していた/除染を挟む意味/……ほか

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