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「3・11」で「真実を伝えなかった罪」

原発事故から10年が過ぎた。当時のメデイアの報道は真実を伝えていたのか?たんぽぽ舎のメルマガの一部を転載する。日本のメデイアの報道の検証と総括が必要だろう。特にNHKの報道や東大教授達らの原子力専門家(自称)の間違った発言によって、被ばくを余儀なくされた住民や国民がいる事に、NHKはその責任を謝罪する事も必要ではないか?また東大教授達達の御用学者が発した間違い発言を謝罪する必要があるのではないか?

真実を伝えるのがジャーナリスト。日本のメデイアはNHKを筆頭に不都合な真実は伝えない。文春を除き、腐ったメデイアという他ない。

以下たんぽぽ舎のメルマガの一部を転載。

【東電福島事件10年報道と菅親子疑獄報道】
  「3・11」10年で「真実を伝えなかった罪」検証なし
  今も出ている原子力緊急事態宣言に言及なし、キシャクラブメディアは現場から逃げた
    浅野健一(アカデミックジャーナリスト)

◎ 報道各社は「3・11」東日本大震災・東電福島第一原発事件(事故ではなく東電と政府が引き起こした刑事事件)から10年で3月11日前後、大きく報道したが、2011年3月11日夕、菅直人首相が発令した「原子力緊急事態宣言」が今も出ていることはほとんど触れていない。また、当時の「人体に影響ない」などとウソを伝えた報道犯罪ついて検証する記事、ニュースはなかった。

小泉純一郎元首相が11日、東京都内で開かれた「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」が開いた「原発ゼロ・自然エネルギー100世界会議」で講演し、福島事件を「人災」と述べ、事故後、原発について学び、原発が「安全、コストが安い、クリーンエネルギー」とされていたことが「全部うそだった」と述べた。
 https://www.asahi.com/articles/ASP3C6JPZP3CUTFK00R.html 

小泉氏の講演後には、鳩山由紀夫、菅直人の元首相2人もあいさつで、「原発ゼロ」を主張した。会議では、細川護熙、村山富市の2人の元首相もそれぞれ「脱原発」「原発ゼロ」を求める声明を発表した。野田佳彦元首相は何も語っていない。元首相5人がこの日に反原発を表明した意義は大きいが、テレビでは地味な扱いだった。

◎ テレビ、新聞は、事件当時に双葉町の小学生だった住民、10年前に取材した人々の今を取り上げ、「町に戻りたい」「震災体験を震災後に
生まれた若者に伝えていきたい」などという発言を報じたが、地域の命と暮らしを破壊した東電の加害責任、無謀な再稼働にこだわる原子力マフィアを批判する視点は見られない。

地震・津波の怖さ、犠牲者の追悼を報じるだけでは不十分だ。フジテレビの「とくダネ!」は「原発事故」で被害の続く飯舘村の現状を、元酪農家の長谷川健一さんらを取材して伝えたのは良かった。ふるさとを奪った加害者は誰で、加害者に反省させ、再発防止の努力をきちんとしているかを監視するのがジャーナリズムの仕事だ。

◎ 菅首相(当時)は、4号機に偶然、水が入り、水素爆発を免れたことについて、「神風が吹いた」と発言したと、当時の内閣参与(広報担当)から聞いた。菅氏は東電福島事件の数日後、「東日本が壊滅するのを覚悟した」と言っている。米軍も事件の重大さを認識していた。
しかし、当時のテレビ、新聞は炉心溶融が起きているという真実を取材せず、取材して分かっても報道しなかった。東電の所長は「政府がメルトダウンという言葉は使わないと決めているから、我々も使ってはならない」と叫んでいる声が残っている。

◎ 日本の東半分が崩壊する危機だったのに、NHKは原子力マフィアの東京大学などの御用学者を出演させ、「メルトダウンは起きていない」「スリーマイル、チェルノブイリのようにはならない」という無責任な見通しを垂れ流し、放射能汚染が拡散する中、何も知らされなかった民衆は普段どおり外出し、被曝した。

NNN系の福島中央テレビ(FCT)が定点カメラで撮った福島第一原発1・3号機における爆発の生々しい映像は、日本テレビ系列局でしか放送されなかった。
他のテレビ局の定点カメラは津波で流されていたので、FCTだけが“きのこ雲”が吹き上がる映像を撮れた。通常はFCT提供のクレジットを付けて、NHKなどが放送するのに、「特ダネだから使えない」という詭弁で放送しなかった。FCTの映像はBBC、CNNなど海外ではオンエアされた。

◎ 同志社大学社会学部メディア学科・浅野ゼミはキシャクラブメディアの「報道しなかった罪」を調査した。
その成果は『DAYS JAPAN』増刊号『検証 福島原発報道 あの時伝えられたこと』(DAYS JAPAN MOOK、監修・広河隆一、2012年4月発売)で発表した。20年続いた浅野ゼミの歴史的な業績だと思っている。

2011年3月13日、現地に入っていた広河編集長から「テレビ報道があまりにひどいので、浅野研究室で録画し、分析してほしい」という電話があった。同志社大学社会学部には、テレビ各局を録画する機器があった。

大学院生、学部生、研究室アルバイト・鹿野健一氏の計22人が3月11日から1週間の東電事件に関するテレビ、新聞、ネットの報道と東電・保安院・官邸の動きを時系列に並べて記録し、問題点を取り上げた。学生にしかできない気の遠くなるような作業だった。
学生たちは英BBC、米CNNも録画し、海外メディアは事件の深刻さを伝えていたことを明らかにした。

◎ 当時の大学院生、矢内真理子氏が「DAYS」特集号を宣伝した
記事などがネットにある。
【2012-3-31OA音声】DAYS JAPAN『検証・原発事故報道』から考える
コミュニティ放送の可能性『こみねっとラジオ』団体情報一般
http://radiocafe.or.jp/chiiki/f/podcast/120331/ 

浅野ゼミの原発関係の研究成果は以下のサイトで見ることができる。
<同志社大学 社会学部/被災学生と「大震災と原発事故とマスメディア」テーマに討論>

http://ssgpdb.doshisha.ac.jp/report/51.php
<浅野健一ゼミ企画 2日連続シンポジウム「福島原発事故後を生きる~どう向き合うか」>
IWJ Independent Web Journal
https://iwj.co.jp/wj/open/archives/24723

<7月29日小出裕章氏シンポ@同志社大学>
https://groups.google.com/g/visual_anthropology/c/mnn6YrSzn4k?pli=1

◎ 10年前、東電福島第一原発の近くの自治体にあった市政記者クラブから記者が消えた。フリージャーナリスト、外国メディアの東京特派員は車で現場に向かったが、非常線で原発に近づけなかった。日本のマスメディアは、最も重要なニュースを取材・報道しない。

◎ 現在問題になっている東北新社とNTTによる総務官僚・元総務相らへの違法接待・贈収賄事件でも、記者クラブに入っていない「週刊文春」が3月4日号以降、毎週、調査報道で新事実を報じている。朝日新聞、読売新聞、NHKなどは、贈賄容疑の掛かっている菅義偉首相の長男・菅正剛東北新社統括部長(2月26日人事部付)を仮名報道している。

文春など週刊誌はずっと実名を出し、国会でも実名が繰り返し出ているのに、朝日などはなぜ正剛氏の実名を伏せるのか理解できない。10年前の報道犯罪を反省しないキシャクラブメディアは、人民の知る権利にこたえることができない。キシャクラブを解体し、広報センターを設置して、報道改革を進めよう。

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