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国連科学委員会2020レポート過小評価解明に向けた共同研究

STS学会の自由研究集会で『国連科学委員会2020レポート過小評価解明に向けた共同研究』とのタイトルで話す機会を得た。その時に使ったパワーポイントの一部を掲載。UNSCEAR 2020レポートへの公開質問について、その背景と問題点(デタラメぶり)について話した。
尚、以下は公開されている人、あるいは公人である為、実名を記載した。

【UNSCRARへの公開質問の背景】

1.今年3月にUNSCEAR 2020レポートが発表。『将来にわたり被ばくを直接原因とするがんなどの健康影響が増加する可能性は低い』とのプレスリリースに違和感。日本のメデイアや国民をミスリード
    https://www.unscear.org/docs/publications/2020/PR_Japanese_PDF.pdf

2.このレポートには、特に経口摂取と吸入摂取の内部被ばく評価に、多くの疑問がある為、2021年9月下旬に【公開質問】を提出。(3週間後に回答が届いた。)

3.日本作業グループは2020レポートを直接執筆はしてはいが、詳細分析には日本作業グループが強く関与。都合のよい論文やデータを恣意的に選択して結論を誘導していないか?また、量研・明石氏は国際医療福祉大・鈴木元氏との私的なつながり(共同論文多数)があり、鈴木氏の論文を意図的に優先した事実が無いかを検証する必要があった。UNSCEARへ、この事実の報告と見解の確認が必要。


【福島県健康調査検討会議事録】

第41回(H3年5月開催) 鈴木元・甲状腺評価部会長の発言
『UNSCEAR 2020年 報告書について 、私から簡単な説明を行いました。 UNSCEAR 2020年 、今年3月に英語版が報 告されました 。日本語版は 5月になりましたので、そろそろ出てくるかと思われますが、 英語版につきまして簡単な説明をいたしました 。 2013年報告と大きく違ってきているのは、 日本人の場合ですと 放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれ率が ICRPの標準的なモデルの30%ではなくて、 実際もうちょっと低いということが知られており ます 。

そういう日本人の特性に合わせたICRPのヨウ素131、 甲状腺等価線量換算係数を修正する 、修正項を適用した 、 これで約50%線量が変わりま した 。 それから、 屋内退避による吸入被ばくの線量低減係数というものも 、2013年報告では 全く屋内退避の効果は認めないという形で、 福島県民全員、 寒空の中、 外にいたという評価になっていましたが 、それが 50%の屋内退避効果 があるという形で再評価されています
こ の2つだけで大体4分の1に線量が変わってきます 。』

【UNSCEARへの公開質問内容】

• 1.初期の経口摂取線量の過少評価
• 2.吸入摂取量の矮小化
• 3.線量推計値の矮小化(係数を1/2)
• 4.内部被ばくの線量評価(線量係数)の矮小化
• 5.外部被ばく線量値の矮小化
• 6.甲状腺がんの多発は放射能の影響
• 7.日本作業グル―プの役割・ミッション
• 8.UNSCEARの中立性への疑問
• 9.お願い

詳細は以下をご覧ください。
 【UNSCEARへの公開質問】
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2021-11-21-1
  【UNSCESARからの回答】
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2021-11-22


【第29回国内対応委員会議事録(2020年10月12日開催)】

1) 福島報告書の改定について事務局より説明(内容黒塗り)
 以下は【別紙資料から】
・2019年までに受理された論文等にもつづき、レビューが行われており、(67回)本会合にて承認を目指す予定。
・福島フォローアッププロジェクトのSenior technical advisorは明石前代表、放影研から1名、量研から3名
・量研から1名UNSCEAR 事務局に派遣
・新しい報告書では、改定された放出量のデータ、個人線量や空間線量のデータを使用。

・日本人のヨウ素吸着率や屋内における空気中放射性核種のフィルター効果などを考慮し、より現実的な線量推定実施。
⇒これらの考慮の結果、外部被ばく線量は若干上昇。摂取による内部被ばく線量は劇的に減少。
・健康影響については2013年報告書の見解は引き続き有効であるとした。
・14か国から723件のコメントがあり、63件のコメントを技術的検討。クリティカルなコメントは無かった。

2) UNSCEAR 67回会合の審査予定のドラフトに対するコメントを10月16日まで提出するよう委員に依頼
3) アウトリーチ活動が2021年5月に予定(実際は2022年2月頃に延期か?)
4) 国連総会議長への説明(2020年10月に予定(実施))
5) 各国代表への説明(2020年12月に予定(実施))


【日本作業グループと会合参加者】
1.日本作業グループメンバー
  量研(放医研:明石真言、赤羽惠一、青野辰雄(福島再生支援研究所)JAEA:茅野(理事)、放影研:小笹晃太郎

2.UNSCEAR67回会合の参加者(2020年11月開催)
   量研(放医研):中野隆史、明石真言、神田玲子、放影研1名(たぶん小笹晃太郎)
他に量研(放医研)から4名、広島大から1名の計9名参加

それぞれの参加者は専門分野を分担しており、福島事故関連は明石氏と量研の2名が担当。明石氏らが中心となってまとめた日本案がUNSCEAR事務局に提案された。(他の2名も量研であり、明石氏の思惑でどうにでもなりそう)


【UNSCEAR2020レポート過小評価解明に向けた共同研究(1)】

1.経口摂取については、出荷制限がかかった3月23日までの間に、どの市町村に、どれだけの量が出荷され、どのような人が消費したかの調査必要。⇒中央卸市場への情報公開要求
 ※現在福島県に調査要請中(情報公開請求が必要か?)
 https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2021-11-26

2.スーパーには、農家が直接持ち込み販売するケースも多い。主なスーパーに対し、当時の取引状況の調査必要。又、道の駅や農産物直売所では、農家が直接持ち込んで販売していた為、野菜の種類や販売量の調査必要
3.吸入摂取については、今後の森口祐一氏(現在国立・環境研理事)の論文を待って、再検証必要。
4.50%の屋内退避効果日本人の甲状腺等価線量係数(1/2)の検証

5.公開質問に一つ一つの質問には答えず、12月リリース予定のthe 23 electronic attachmentsを見て欲しいとの回答。
⇒今後の検証必要。
6.都合のよい論文やデータだけを恣意的に集めて、公正・中立に議論したとしても、偏る結論になる事は明らか。
⇒国内対応委員会や日本人作業グループでの議事録等の検証が必要。(情報公開請求も黒塗り部分もあり、解明は限定的か?)
7.多くの方々が公開質問すると同時に、Q&AのHPへの掲載要請が必要。又、レポート策定のプロセスを開示させたい。

【関連論考とサイト】
白石草さん(NPO Our Planet-TV代表)の『科学』と『週刊金曜』や 榊原崇仁記者(東京新聞)の『科学』の論考、そして著書『福島が沈黙した日』によって、UNSCERAレポートがいかに経口摂取や吸入摂取による内部被ばくを過少評価したものである事が明らかとなった。

★公開質問と回答は以下。
【UNSCEARへの公開質問】
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2021-11-21-1
【UNSCESARからの回答】
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2021-11-22

★ 関連記事です。
【UNSCEAR・国内対応委員会は公正・中立か】
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2021-11-30
【UNSCERAレポートの内部被ばくの矮小化】
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2021-10-09
【UNSCEARレポートを捻じ曲げた黒幕は誰か?】
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2021-04-07

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