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国連科学委員会レポートに関し福島県へ質問

国連科学委員会は2021年3月に発行した『UNSCEAR 2020レポート』に関し、福島県に見解を聞く為に以下の質問を提出した。


福島県・広聴室殿

日頃のご尽力に感謝いたします。

国連科学委員会は2021年3月に『UNSCEAR 2020レポート』を発表しました。『将来にわたり被ばくを直接原因とするがんなどの健康影響が増加する可能性は低い』との、日本語のプレスリリース(☆)を発表し、日本のメデイアや国民にミスリードを誘導したのです。                          
☆:Microsoft Word - ous419jp ys2 (unscear.org)

このレポートには、特に野菜や生乳が出荷停止になる3月23日までの11日間の野菜等からの経口摂取と、地域によって異なるヨウ素とセシウムとの比率の違いによる吸入摂取の内部被ばく評価に問題があり、矮小化されています。
更に、日本人は日頃から昆布を食べているからと言って、甲状腺等価線量係数(放射性ヨウ素の体内摂取量から甲状腺に集まる係数)を西洋人(ICRP基準値※)の1/2にされています。しかしながら、以下の①~③の理由で1/2を採用することは過少評価になると考えます。

※日本人は西洋人に比較し昆布の摂取量が多い為に、甲状腺に集まる放射性ヨウ素が甲状腺に集まるのは西洋人(注)の半分(15%)とした。注:西洋人は30%としている。

①最近の研究(2015年学術誌論文:K5★)によると「特に若い人に食事パターンの変化に伴い、ヨウ素不足が徐々に増加しうる」とある。
 ★K5 Katagiri, R., K. Asakura, K. Uechi et al. Adequacy of iodine intake in three different Japanese adult dietary patterns: a nationwide study. Nutr J 14: 129 (2015)

②日本人が放射性ヨウ素を摂取した場合に甲状腺への取り込みは16.1±5.4%や,12.8±5.7%とした。この時の被験者は15人及び6人のみで、日本人全体の平均とは言えない。

③福島県によるとがん患者の尿中の安定ヨウ素は1Lあたり「100μg」台と少なかった。(日本人は300μgと言われてきた。) 
https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/240821.pdf


更に、事実とは異なる日本人は鉄筋コンクリートの住居に住んでいるからとして、屋内退避効果で吸入被ばくを1/2にし、その結果2013レポートから内部被ばくの評価線量を約1/4に下げてしまったのです。(注1)

避難地域住民の40のシナリオ(代表的な避難経路によって住民の被ばくを推定)には、避難が遅れたり、現地に留まって汚染された野菜等の炊き出しを食べたり、吸入摂取で大きな内部被ばくをした住民が考慮されていない等多くの疑問があります。

また、主に量子科学技術研究機構(以後量研・元放医研)の明石真言氏らで構成されているUNSCEAR日本人作業グループはレポートを直接執筆はしていないが、詳細分析や意図的な情報提供に日本作業グループは強く関与しています。

そこで作業グループが都合の良い論文やデータを意図的・恣意的に選択して、結論を誘導していないか?また量研・明石真言氏と国際医療福祉大学(甲状腺評価部会座長)・鈴木元氏との個人的な関係によって、鈴木氏の論文を意図的に忖度・優先した事実は無いのかを、UNSCEARに質問すると同時に、日本国内で定期的に開催されている、明石氏らが主導している『国内対応委員会議事録』の情報公開請求を実施しながら、検証が必要です。

詳細は添付パワーポイント及び以下のブログをご覧ください。
【UNSCEARへの公開質問】
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2021-11-21-1
【UNSCEARからの回答】
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2021-11-22

UNSCEAR2020レポートが健康調査検討会や甲状腺評価部会等、あらゆる場面で間違った解釈(矮小化)で悪用される事が危惧されます。県民の命と健康を守るべき福島県(民)としては、極めて重要な問題と言えます。福島県としても、UNSCEARに問い正すべきです。
また県民に対し説明会や公開討論会の場を設定するようUNSCEARに要求すべきです。UNSCEAR 2020のレポートに関する以下の疑問について、福島県の見解をお聞かせください。

1. 上記の屋内退避効果の1/2を福島県としては認めますか?認めるとすれば、その理由をお聞かせください。認めない場合も、その理由お聞かせください。

2. 甲状腺等価線量係数の1/2を福島県として認めますか?認めるとすれば、その理由をお聞かせください。認めない場合も、その理由をお聞かせください。

3. 避難地域の住民は代表的な避難経路をもとに40のシナリオの被ばく線量を計算しています。しかしながら、避難が遅れたり、摂取制限がかかるまでの11日間、汚染された野菜や生乳を摂取したりし高線量に被ばくした住民が考慮されていません。40のシナリオだけでは、高線量被ばくしたすべての住人を把握する事は不可能です。この事に対する福島県の見解をお聞かせください。

4. UNSCEAR 2020レポートには上記以外にも経口摂取や吸入摂取に関する評価の疑惑・問題がありますが、本件に対する福島県の見解をお聞かせください。詳細は添付パワーポント及び公開質問をご覧ください。
【UNSCEARへの公開質問】
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2021-11-21-1
【UNSCEARからの回答】
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2021-11-22

5. UNSCRAR2020レポートは2013レポートに比較し内部被ばく線量を約1/4にしました。上記1~4を鑑み、2020レポートに関する福島県の見解をお聞かせください。

6. 疑問についてはUNSCEARに説明を要求するか、公開質問を提出すべきですが本件に対する福島県の方針をお聞かせください。

7. 多くの県民がUNSCEAR 2020レポートに疑問を抱いています。説明会や公開討論会の場面を設定するようUNSCEARに要求すべきです。本件に対する福島県の方針をお聞かせください。

8. レポートの結論には量研の明石真言氏を主体とする日本人作業グループメンバーや鈴木元氏の恣意的な論文が大きな影響を与えています。
鈴木元氏は甲状腺評価部会の座長もしています。明石真言氏は避難者のモニタリングの基準を1.3万cpmから10万cpmに上げた事にも関わっています。このような人たちが大きく関わっているUNSCEAR2020レポートは公正・中立性に欠けるものと考えていますが、福島県の見解をお聞かせください。

注1:第41回(H3年5月開催)の県民健康検討委員会で 鈴木元・甲状腺評価部会長の発言が以下。

•UNSCEAR 2020年 報告書について 、私から簡単な説明を行いました。 UNSCEAR 2020年 、今年3月に英語版が報 告されました 。 日本語版は 5月になりましたので、そろそろ出てくるかと思われますが、 英語版につきまして簡単な説明をいたしました 。
•2013年報告と大きく違ってきているのは、 日本人の場合ですと 放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれ率がICRPの標準的なモデルの30%ではなくて、実際もうちょっと低いということが知られており ます 。

•日本人の特性に合わせたICRPのヨウ素131、 甲状腺等価線量換算係数を修正する修正項を適用した 。これで約50%線量が変わりました 。
•それから、 屋内退避による吸入被ばくの線量低減係数というものも 、2013年報告では 全く屋内退避の効果は認めないという形で、 福島県民全員、 寒空の中、 外にいたという評価になっていましたが 、それが 50%の屋内退避効果 があるという形で再評価されています 。
•この2つだけで大体4分の1に線量が変わってきます 。

非常に重要な課題提起です。以上ご回答いただきたくよろしくお願いします。

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