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国連科学委員会2020レポートへの公開質問と回答(改訂版・後半)

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国連科学委員会(UNSCEAR)2020レポートに対する公開質問を実施している。2022年1月20日現在、UNSCEARから得られた一部の回答も含め、以下まとめた。尚、すべての質問に対する項目毎の回答を求めているが、本日現在得られていない。

6.甲状腺がんの多発は放射線の影響
①UNSCEAR2013年報告による甲状腺がんのリスクの記述
『UNSCEARは、放射線に最もさらされた子供たちのグループの甲状腺がんのリスクが高まる可能性があることを理論的に指摘し、状況を綿密に追跡し、将来さらに評価する必要があると結論付けました。』
 【質問12】                                                   
上記の甲状腺がんのリスクの記述がありますが、具体的にその根拠等を解説ください。

②A130では、0.2%(約200人強?)程度は100mGyの被曝をしたと推定。        
【質問13】この根拠となるデータ等を開示し、詳細に解説ください。

③パラグラフ222で事故時5歳までのグループでは放射能に起因した甲状腺がんが 約16~50例になると推定。                                     
【質問14】この根拠についてデータ等を開示し、詳細に解説ください。

④福島県の評価部会ではUNSCAER 2020レポートの線量評価には問題が多いとして、 UNSCEARレポートの採用を否定。                                 【質問15】何故否定されたとお考えでしょうか?UNSCEARの見解をお聞かせください。

⑤日本国内の4つの論文(津田氏、加藤氏、土岐氏等)では甲状腺がんの発症には地域差があるとしている。                                             【質問16】                                                 
 これらの論文の根拠があいまいとして無視し、明石氏らの関与等により鈴木元氏や福島医大の大平論文を主に採用した理由を開示ください。

⑥チェルノブイリ原発事故後に生まれた、35,000人の子ども達(1998~2000年実施)の超音波検査で甲状腺がんはゼロでした。(福島では10万人中38.3人)          
【質問17】                                                  
上記結果から福島での甲状腺がんは過剰診断ではないと断言できますが、UNSCEARの見解をお聞かせください。

⑦UNSCRAR2020レポートの日本語のプレスリリースで読売新聞は「将来にわたり被ばくを直接原因とするがんなどの健康影響が増加する可能性は低い」としています。「影響があったとしても統計的に検出できない」ではなく、「放射能の影響がないと評価した」と誤読を誘導し、上記①~③やパラグラフの219,220,222とも矛盾しています。
【質問18】                                                   
1)事実と異なる事を日本メデイアにプレスリリースをし、日本国民に誤ったメッセージを与えるようなミスリードを、なぜ誘導したのか?これはUNSCEARの公式見解か?
2)改めて正しい情報を日本語でプレスリリースする必要があると思いますが、その予定は あるか?

7.日本作業グループの役割 
【質問19】                                                   
日本作業グループが2020レポートの執筆はしていないという事ですが、詳細分析には日本作業グループが強く関与しているので、都合のよい論文やデータを恣意的に選択して結論を誘導していないか?また、明石氏は鈴木元氏との私的なつながり(共同論文多数)があり、鈴木氏の論文を優先的に採用した事実が無いかを検証すべきですが、UNSCEARとしての見解をお聞かせください。

8.UNSCEARの中立性への疑問
【質問20】                                             
UNSCERARの中立性についてUNSCEARの見解をお聞かせください。          
UNSCEARの内情をよく知る元WHO放射線・公衆衛生顧問キース・ベーヴァーストックが2014年11月に来日し、日本外国人特派員協会での記者会見スピーチ要旨が以下。

『委員のほとんどは、経済的重要性の高い原子力推進プログラムを持つ各国政府の指名制で、これらの政府はまたUNSCEARに資金も提供している。原子力産業ロビーに批判的な声をあげてきた研究者でUNSCEAR報告書の作成に関与している人はいない』
※外務省がUNSCEARの報告書作成に、2013年度約7000万円の資金を提供。2017年度には改訂版作成のため新たに7000万円拠出。被災者たちが日本政府を訴えた裁判で、日本政府の拠出金によって作られた報告書を「中立で」「国際的に権威ある」「科学的知見」として日本政府の弁護に使っていることになる。

【お願い】                                               
UNSCEAR 2020レポートに関し、多くの専門家や市民の疑問に答えくださる事に感謝いたします。そして、その疑問解決の為には情報共有化が欠かせません。世界中の政府、地方自治体、専門家、メデイアそして市民が正しく情報共有する為にはUNSCEARのHP上(Web上)に日本語と英語のQ&Aのサイトを至急準備して頂くようお願いいたします。また、至急日本語版の発刊もお願いいたします。


【国連科学委員会(UNSCEAR)からの回答】
UNSCEARへ技術提出していた公開質問への回答が3週間後の2021年10月21日に届いた。一つ一つの質問には答えず、2021年12月リリース予定のthe 23 electronic attachmentsを見て欲しいとの回答(12月15日のメールでは近々完成するとの回答)。the 23 electronic attachmentsは公開質問のすべてに答えるものになるとは思えず、再三に渡り、項目毎に回答してほしいと要請も、その事には2022年1月18日現在、無回答のまま。12月15日のメールでは、2022年2月に予定していた福島県での説明会(アウトリーチ)は、2022年6月に延長との回答。また公開質問のQ&AもHPに掲載すべきとの要請には、2022年2月に新しいサイトに作り変えるとの回答。但し2022年3月現在、サイトは作り変えられていない。

2021年10月21日のメールでは、UNSCEARの中立性を一般論として強調はしているものの、個々の内容の問題点や疑問点に関する決定プロセスについての具体的説明には触れられていない。都合のよい論文やデータだけを恣意的に集めて、公正・中立に議論しても、もともと偏った論文やデータでは結論も偏ることになる事は明らかです。これではUNSCEARの公正・中立性を信じる事はできない。


【UNSCEARからの英文回答を翻訳機での日本語訳】

××さん、      (2021年10月21日)

UNSCEAR 2020報告書、附属書Bに追加の質問とコメントを提供していただき、ありがとうございます。これらは、事務局が2022年に日本で組織する予定のUNSCEARアウトリーチ活動にとって非常に貴重な情報です。

FNDPS放射性降下物の影響を受けた地域の避難者と永住者のUNSCEAR線量評価、放射線被ばくによる甲状腺がんのリスク評価についてコメントし、日本作業部会の役割と使命についても問題を提起しました。この研究におけるUNSCEARの中立性、およびUNSCEARが英語と日本語の両方でQ&Aサイトを準備する必要性について、提起されたポイントの順番でお答えできることをうれしく思います。

技術的実体について
あなたは主に方法論的な性質の質問をしました。方法論的な質問への回答は、2021年3月にリリースされた、UNSCEARレポート(事前コピー)に記述されています。(https://www.unscear.org/unscear/en/publications/2020b.html)   
より詳細な情報は、現在オンライン公開前に編集されている23の電子添付ファイル(2021年12月に予定)に含まれています。これらの添付ファイルには、使用された方法論の詳細な説明と、入力データ、結果、および不確実性分析を含む多数の表の両方が含まれています。関連する電子添付ファイルの内容は、リリースされたらすぐに理解しておくことをお勧めします。ほとんどの答えが見つかると思います。いくつかの質問/コメントが関係する場合、私たちは喜んで答えます。

日本ワーキンググループの役割と使命
日本が指名したパートナーの専門家と機関は、このUNSCEAR評価と専門家グループを特に以下によって支持した。
a.関連する科学的および技術的出版物と研究計画を特定する。
b.委員会および専門家グループによる文献の要求に対応する。
c.公開された情報を解釈し、要求に応じてプロトコルと方法論の詳細な説明を取得するのに役立ちます。 d.報告書の草案に関する技術的コメントを委員会に提供する。

この研究におけるUNSCEARの中立性
12の加盟国とオブザーバーからの30人以上の国際的な専門家が取り組み、13人の批評家が報告書をレビューしました。さらに、200人以上の参加者が参加した第67回委員会が報告書を検討し、採択しました。代表団は、UNSCEARセッションごとに、委員会の作業の統治原則に従って、科学的資格と経験に基づいて指名するよう求められ、科学的資格と経験に基づいて科学的評価を行うことを思い出したいと思います。確立された科学的手順と価値。

これらの専門家は、とりわけ、放射線科学に関連する幅広い関連する科学的および技術的問題に関して深い知識と経験を持ち、科学的発展に遅れずについていき、全国的に効果的な支援を促進することが期待されています。彼らはまた、独立して行動し、委員会の手続きや任務と矛盾する可能性のある外部からの圧力や利益に関連して偏見なく職務を遂行するものとします。さらに、彼らは誠実に行動し、知的財産の問題を尊重することです。

UNSCEARが英語と日本語の両方でQ&Aサイトを準備する必要性
以前述べたように、既存のUNSCEAR Webサイトには公開Q&Aに関するセクション(https://www.unscear.org/unscear/en/faq.html) があり、新しいUNSCEAR Webサイトを作成中です。国連ガイドラインに沿って、2022年第1四半期までに最終決定される予定です。 今後検討される提案に改めて感謝します。

Borislava Batandjieva-Metcalf(Ms) 事務局長


2021年12月初旬及び2022年1月初旬に、以下をUNSCEAR事務局長に再度要請した。

1.2020レポートの日本語版のリリースの促進(予定よりも半年以上遅れている)
2.12月発行予定の23の電子アタッチメント
3.上記の質問に対する項目毎の回答
4.2020レポートへの質問に対し、項目毎のQ&AをUNSCEARのHPへの掲載
5.日本人の屋内退避効果1/2や甲状腺等価線量係数の1/2の再検証と解説
6.福島県での説明会(アウトリーチ)の開催日程

その回答が以下。

××さん、       (2021年12月15日)

メールとUNSCEAR作業への継続的な関心に感謝します。
レポートの最終英語版とその日本語訳は、発行の最終段階にあり、まもなく当社のWebサイトで公開される予定です。先月のCOVID-19のパンデミックの進展により、日本で計画されていたアウトリーチ活動は2022年6月に延期される必要がありました。

電子添付ファイルも少し遅れて完成しており、上記の2つのレポートが公開されたら、まもなく公開されます。事務局は、2022年2月に立ち上げられる予定の新しいUNSCEARウェブサイトの質疑応答にも取り組んでいます。事務局は、この困難なパンデミックの時代に文書を完成させ、利用できるようにするために必要なすべての措置を講じていることを保証したいと思います。

Borislava Batandjieva-Metcalf(Ms) 事務局長

2022年1月初旬のリマインダーに対する回答が以下。しかし質問への項目毎の回答や日本人の屋内退避効果1/2や甲状腺等価線量係数の1/2の再検証と解説要請には無回答。


××さん、         (2022年1月6日)

皆様のご多幸をお祈り申し上げますとともに、新年のご多幸をお祈り申し上げます。私はあなたの質問に次のように答えたいと思います:
a. 英語版と日本語版の報告書は、事前に公開するために追加のチェックが必要であり、私たちが話すときにUNSCEAR事務局によって最終決定されます。 今後数週間の詳細については、当社のWebサイト(https://www.unscear.org/unscear/en/publications.html)をフォローしてください。

b. 23の電子添付ファイルは、レポートに示されている委員会の結論に関する詳細で裏付けとなる説明を提供します。
c. QとAに関しては、以前の通信で説明したように、新しいUNSCEAR Webサイト(2022年第1四半期に予定)の一部になる準備をしています。
この情報がお役に立てば幸いです。

Borislava Batandjieva-Metcalf (事務局長)


【量研への情報公開請求で明らかになった事】

1. 日本作業グループとUNSCEEAR会合参加者
1)日本作業グループメンバー
   量研※(旧放医研):明石真言、赤羽惠一、青野辰雄(福島再生支援研究所)
    JAEA:茅野(理事)、放影研:小笹晃太郎
      ※:量子科学技術研究開発機構

2)UNSCEAR67回会合の参加者(2020年11月開催)
   量研:中野隆史、明石真言、神田玲子、放影研1名(たぶん小笹晃太郎)
   広島大:吉永信治、他に量研から4名の計9名参加
     尚、福島事故関連は明石氏と量研の2名が担当。
明石氏らがまとめた日本案がこの会合前に、UNSCEAR事務局に提出された。
(他の2名も量研である事から、日本案は明石氏の思惑が強く反映されたものと推測)

2.第29回国内対応委員会議事録(2020年10月12日開催)
1) 福島報告書の改定について事務局より説明(議事内容は黒塗り)
 以下は会議資料から転記
・2019年までに受理された論文等にもつづき、レビューが行われており、(67回)本会合にて承認を目指す予定。

・福島フォローアッププロジェクトのSenior technical advisorは明石前代表、放影研から1名、量研から3名
・量研から1名UNSCEAR事務局に派遣
・新しい報告書では、改定された放出量のデータ、個人線量や空間線量のデータを使用。
・日本人のヨウ素吸着率や屋内における空気中放射性核種のフィルター効果などを考慮し、より現実的な線量推定実施。
  ⇒これらの考慮の結果、外部被ばく線量は若干上昇。摂取による内部被ばく線量は劇的に減少。

・健康影響については2013年報告書の見解は引き続き有効であるとした。
・14か国から723件のコメントがあり、63件のコメントを技術的検討。クリティカルなコメントは無かった。

2) UNSCEAR 67回会合の審査予定のドラフトに対するコメントを10月16日まで提出するよう委員に依頼
3) アウトリーチ活動が2021年5月に予定(実際は2022年2月頃に延期か?)
4) 国連総会議長への説明(2020年10月に予定(実施))
5) 各国代表への説明(2020年12月に予定(実施))
前半はhttps://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2022-01-20をご覧ください。

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