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放医研への公開質問

鼻血論争に関し、放医研に以下の公開質問を提出した。2週間以内の回答を期待したい。
 
 
放射線医学研究所所長
 山下俊一殿
cc研究企画室御中殿
 
  
日頃のご尽力に感謝申し上げます。
放射性物質に起因する鼻血に関する以下の疑問について、2週間を目途にご回答頂きたくお願いいたします。
 
放医研(QST)のサイトに以下のような記事があります
 
Q.東京電力福島第一原子力発電所の事故当時に、放射性物質が鼻の粘膜に付着することで、鼻血がでることは考えられますか?
A.東京電力福島第一原子力発電所の事故当時に、放射性物質が鼻の粘膜に付着することで、鼻の粘膜に影響が出て、鼻血がでることは考えにくいと判断しています。
 
高線量の放射線に被ばくすることで、皮膚や粘膜が障害を受けることがあります。1%の方に皮膚障害の軽い症状である発赤が現れるしきい線量は、3から6 グレイであり、出血が起きる可能性がある放射線熱傷と呼ばれるやけどのような症状は、5から10 グレイとされています(国際放射線防護委員会(ICRP)刊行物No.103)。事故当時に、鼻の粘膜から出血するほどの放射性物質を鼻から吸い込んだとするならば、鼻腔粘膜にやけどのような症状が現れますが、そのような報告はありません。
 
鼻から吸い込むことで鼻腔粘膜に放射性セシウム137Cs(塩化セシウムの形で)が、付着したことを考えてみましょう。大きさ1μm(ミクロン、マイクロメートル)の137Csが24時間付着したままだった場合(ICRP66)で、粘膜の深さ0.4mmの部位(ICRU 56)で線量が3 シーベルト(3000ミリシーベルト、発赤が現れる線量に相当)となる条件を考えてみます。
 
そのためには、137Csが1cm2あたり、3.3×105 Bqの量で付着している必要があります。このような付着を起こすためには、成人の場合で、4.4×107 Bq(44 MBq、メガベクレル)、5歳児の場合2.1×107 Bq (21 MBq)、吸入により摂取する必要があります(ICRP66)。
しかし、吸入により44 MBqもの摂取があるとは考えられません。
 
福島県民の健康調査でホールボディ・カウンター等で内部被ばくを確認していますが、吸入により44 MBqもの摂取があれば、摂取から相当の日が経過してもホールボディ・カウンター等で検出可能なはずです。

また、福島県内の航空機モニタリングマップ等にあるセシウムの地表面濃度で比較的高い地域で1MBq/m2~ですので、仮に1 m2の土にあるセシウムを全て取込んでも1 MBqです。福島第一原子力発電所に入域して影響が生じたのであれば,退域時の身体サーベイで確実に汚染が発見できます。また敷地内の137Csの大気中最大濃度は270Bq/m3であり、1日の最大吸入摂取量は成人で6.0kBq、5歳児で2.4 k Bqであり(ICRP 71)、この1000倍以上も吸入摂取することは考えられません。
 
更に、事故から時間が経過したあとでは、放射性物質が半減期を迎えるなどして減衰し、なくなっていきます。皮膚も修復していくので、徐々に被ばくが蓄積するというケースでも、かなりあとになってから急性の症状が出ることは考えられません。
 
要約すると、1%の人が皮膚に発赤が現れるのは3から5グレイとし、線量が3 シーベルトで鼻血が出るだろうとの仮定。そのためには、137Csが1cm2あたり、3.3×105 Bqの量で付着している必要があります。このような付着を起こすためには、成人の場合で、4.4×107 Bq(44 MBq、メガベクレル)、5歳児の場合2.1×107 Bq (21 MBq)、吸入により摂取する必要があります(ICRP66)
 
【質問】
そこで以下の疑問についてご回答頂きたくお願いいたします。
 
1. 1%の方に皮膚障害の軽い症状である発赤が現れるしきい線量は、3から6 グレイであり、出血が起きる可能性がある放射線熱傷と呼ばれるやけどのような症状は、5から10 グレイとされていますとありますが、その根拠となる実際の論文や論考・データがあれば開示ください。
 
2. 上記は皮膚障害の軽い症状である発赤が出る線量であり、もっとも敏感な鼻の粘膜にあてはめられるかどうか?
上記で当てはめた根拠は何でしょうか?是非その根拠を示してください。更に鼻の粘膜での実証試験をした結果があれば、そのエビデンスを開示ください。鼻の粘膜なら、更に1/10程度になる可能性はありませんか?
ご参考までに鼻の粘膜障害についてまとめた論考は以下をご覧ください。
 
3.上記は1%の人の皮膚に障害が出る線量としています。1000人に1人程度(0.1%)に鼻血(障害)が出る場合はいくらぐらいいとみるべきでしょうか。その見解に対するエビデンスがあれば開示ください。 
1%程度の障害発生時の1/10程度の線量になるのではないかと想定しますが如何でしょうか?
 
4. 放射性物質が含まれる空気を鼻から吸入する場合に、鼻の粘膜に付着する放射性物質の割会は何%と考えるか?更に、その見解に対するエビデンスがあれば開示ください。
 
尚、事故当時の核種の割合は論文『初期内部被ばく線量評価で着目すべきプルーム通過時の実測値・推計値の総合解析』(注3:森本祐一:元東大教授ら)のTable 1.Default ratio of radionuclidesをご覧ください。
 
以下はご参考です。
 
【事故当時の鼻血を出した調査結果】
 
★アワプラネットの記事
事故から4ヶ月。鼻血や下痢、倦怠感。OurPlanetTVで550件の異変を集計。
幅広い年代で、普段は見られない症状が出ていた。550件を集計。1位は喉の不調で172件、2位の鼻血は106件で2割。
しかも「夜中に鼻血が突然出て止まらない」。
 
★低レベル放射線曝露と自覚症状・疾病罹患の関連に関する疫学調査レポート(震災当時からの1.5年後までの疾患を調査したもの)
―調査対象地域3町での比較と双葉町住民内での比較―
 
以上2週間を目途にご回答頂ければ幸甚です。
尚、この質問及び回答は公開させていただきます。

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