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鼻血論争に関する放医研からの回答

福島原発事故当時に多くの住民が鼻血が出た事実に関し、放医研のHPに記載していた内容が実態に即しているのか等、エビデンスも含め質問していたところ回答が届いた。その一部を転記する。

この回答から、放医研自体がデータを保有していない事が分かった。又原発事故当時に多くの住民の鼻血の原因は放射能の影響では無いと断定できるほどの、回答にはなっていない事が明らかとなった。

なぜ政府や自民党はメディアを使ってまで放射能でないと断定的に否定したのか?政府にとって鼻血はそれほどまでに都合が悪かったのか?漫画『美味しんぼう』を徹底的に叩いた。政府が言う『科学的知見』ほど非科学的であり、あった事実を無かった事にしようとする、事故原因者側の思惑が透けて見える。

なぜこの時『美味しんぼう』側が政府に対し、断定的に否定するほどの科学的エビデンスを要求しなかったのか?民間企業の弱みに付け込んだ政府の横暴に負けてしまったという事。

これは広島・長崎での残量放射能を測定している米軍技師に上官が『 君たちの任務は放射能の無い事を証明する事だ』『報告者に関する文書やデータは廃棄し、すべて忘れろ』と命じられた。福島でも同じ事が繰り返されている。

又、それは福島の子ども達に発生している甲状腺がん論争にも該当する。5人の元総理に対する攻撃もまったく構図は同じ。科学的根拠を示さず、徹底的につぶしにかかる。

以下にまとめた内容も含め、実際に鼻血を出した住民は何が原因と想定されるかも含め更なる再質問をしてみたい。
質問内容は以下をご覧ください。
【放医研への公開質問】
【再び鼻血論争】
   ーーー以下放医研からの回答ーーー

【鼻血の HP 記載に関連しての質問に対する回答 】 放射線医学研究所

1.1%の方に皮膚障害の軽い症状である発赤が現れるしきい線量は、3 から 6 グレイで あり、出血が起きる可能性がある放射線熱傷と呼ばれるやけどのような症状は、5 から 10 グレイとされていますとありますが、 その根拠となる実際の論文や論考・データがあれば開示ください。

(回答)
しきい線量より低い線量でも細胞レベルでは損傷を生じえますが、一部の細胞が損なわれても基本的 には周囲の細胞が増殖してこれを補うため、出血などの症状が発現しうるにはある程度の線量や障害さ れた面積が必要です。動物実験ではマウス皮膚で 20-50 Gy、ラット皮膚で 40 Gy の放射線を照射す ると下の図のように血管新生が不能な潰瘍が観察されます(1)。

またブタに対する放射線単回照射実験 において、50%の確率で皮膚潰瘍(湿性落屑)を生じる線量は 27.76±0.91 Gy だったという報告が あります(2)。これらの報告は上記の皮膚障害に至るには、ある程度の線量が必要であることを示してい ます。

ヒトに関する影響について、放医研 HP の記載は ICRP Publication 103 Table A.3.4 に基づい ています。この表自体は ICRP Publication 41 と UNSCEAR 1988 report を元に作成されていま す。しきい値に関する他の報告としては Wagner と Archer の 1998 年の報告がありますが、この報告 では紅斑のしきい線量が 6 Gy、皮膚潰瘍に相当する乾性落屑(放射線熱傷と同義と考えます)が 14 Gy とされています(3)。

ICRP が発表した皮膚線量効果は、照射の種類や時間経過を補正されていな いため限定的という批判がありますが、これらの批判を吟味しつつ Balter らは放射線治療により皮膚障 害を生じる患者さんについて、上記の表のようにしきい値を示しました。

臨床的には放射線治療を受けた 患者さんで数 Gy を超えるピーク線量でおよそ 1 ヶ月後に顕著な皮膚変化が観察され、紅斑は 2Gy か ら生じ、創傷処置を有する皮膚潰瘍は 10Gy から生じるとされています。(4)

これらを総合して、放射線被ばく後早期の症状として、皮膚に発赤が現れるしきい線量 3-6 Gy、やけど のような症状(皮膚潰瘍に相当する)が現れるしきい線量 5-10 Gy というのは十分に妥当だと考えられま す。

参考文献
1. von Essen CF. Radiation Tolerance of the Skin. Acta Radiologica: Therapy, Physics, Biology. 1969;8(4):311-30.
2. van den Aardweg GJ, Hopewell JW, Simmonds RH. Repair and recovery in the epithelial and vascular connective tissues of pig skin after irradiation. Radiother Oncol. 1988;11(1):73-82.

3. Wagner LK, Archer BR. Minimizing Risks from Fluoroscopic X Rays: Bioeffects, Instrumentation, and Examination: R.M. Partnership; 1998.
4. Balter S, Hopewell JW, Miller DL, Wagner LK, Zelefsky MJ. Fluoroscopically guided interventional procedures: a review of radiation effects on patients' skin and hair. Radiology. 2010;254(2):326-41.

2.上記は皮膚障害の軽い症状である発赤が出る線量であり、もっとも敏感な鼻の粘膜にあ てはめられるかどうか? 上記で当てはめた根拠は何でしょうか?是非その根拠を示してください。 更に鼻の粘膜での実証試験をした結果があれば、そのエビデンスを開示ください。 鼻の粘膜なら、更に1/10程度になる可能性はありませんか?

回答)
皮膚障害は体表面影響として出しましたが、ひっかきなどの力学的な物理作用とは違って、 ここでは粘膜細胞の放射線感受性の話となると考えます。皮膚も細胞再生系といって新し い細胞が生まれる場所ですが、体表面の鼻の粘膜もそういう場所です。鼻の粘膜に特化した 研究は存じ上げませんが、放射線治療でも放射線被ばくにより特筆して粘膜が弱いという 報告は見出せず、鼻の粘膜が特段感受性の高い部位としては考えにくいようです。

3.上記は1%の人の皮膚に障害が出る線量としています。 1000人に1人程度(0.1%)に鼻血(障害)が出る場合はいくらぐらいいとみるべき でしょうか。その見解に対するエビデンスがあれば開示ください。 1%程度の障害発生時の1/10程度の線量になるのではないかと想定しますが如何でしょ うか?

回答)
何人に一人はすべての人がその線量を浴びた仮定の上の数値でもあるので今回その ような想定を当てはめるのは困難です。皮膚障害は症状の観察されているものとして挙げ ていますが、上記のようにこれまでの調査で出されている被ばく線量が鼻出血の原因につ ながることはなかなか想定できません。これまで症状が観察されていない線量域における 確率の推定はできません。

4. 放射性物質が含まれる空気を鼻から吸入する場合に、鼻の粘膜に付着する放射性物質の割 会は何%と考えるか?更に、その見解に対するエビデンスがあれば開示ください。

(回答)
鼻の粘膜に何%ということを推定するには、様々な条件が入ると考えられるので回答は困 難ですが、ICRP66 には粒子径に応じて鼻部に残る量について示されています (Table28)。放射性物質を扱う作業者想定で多くても 30-40%程度のようです。そして残 りの大部分は胸部等に残ります(Fig42,43)。

HP にも記載ありますが、高い線量をもたら すものが吸引されていれば、他の部位の観察でもある程度出るはずと思われますが、現在 までの線量推計でのデータに示唆するものはなく、細胞を損傷する放射能が鼻腔にあった ことを想定するのは困難です












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