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汚染水に関する東電への質問

東京電力が発表している福島第一原発の汚染水のデータを長年観測している、近畿大学の元教授が、東電の発表強いるデータから、重大な問題が隠されているとしている。以下の質問を東電にしたいが、記者会見等にジャーナリストか記者から質問して欲しい。

今回は凍土遮水壁と護岸遮水壁の間でモニタリングしている地下水汚染に関連した項目についてのみの質問を公表する。

東電への質問事項・確認事項

【汚染水の行き先と収支】
1.   地下水の高濃度汚染(例えば、No.1-6抗1,300,000 Bq/L、90Sr:700,000 Bq/L、134+137Cs:400,000 Bq/L)について、その起源と行先についてどう考えるか。
ドレンによる地下水の回収と汚染地下水発生の収支は整合しているのか。そもそも、炉心への冷却水注入量と回収量の差(それが圧力容器、核の容器からの漏洩分:注)はどのように見積もっているのか?
注:東電が公表すべきものが公表されていない

 2. そのフラックス(地下水やそこに含まれる放射性核種が流れる量や速度のこと)はどのように見積もっているか?

【汚染水濃度の上昇問題】
3.  ここ数年間の、トリチウムを除く核種の地下水濃度の急上昇(例えば、No.1-6孔では2018年から2022年末までに、全ベータ:100,000⇒1,000,000 Bq/L(13倍)、90Sr:100,000⇒700,000 Bq/L(7倍)、134+137Cs:10,000⇒400,000 Bq/L(40倍) について、その原因はどこにあると考えるか。事故からの時間の経過に伴って、デブリの変性、変質が始まっているのではないか?
東電は規制庁にこの重大問題・現象を提示し、問題点を議論しているのか?


【遮水壁効果の問題】
4.  汚染地下水の行先として、港湾や港湾外の外洋への漏洩が考えられるが、どう評価しているのか?
 
もし、護岸遮水壁、凍土遮水壁で汚染地下水がシールド出来ているとすれば、港湾や外洋において放射性セシウムで汚染された海水や魚介類(2016年以降2022年末までの海水:港湾遮水壁前1~100 Bq/L《ほとんどが検出限界値以上》、2017年以降2022年末までの港湾内魚介類:2~2000 Bq/kg《ほぼ90%以上が検出限界値以上》見つかることをどのように考えるのか?


5.  2017年以降、港湾の海水と魚介類の放射性セシウム濃度(1.3項と重複)は殆ど減少していない。護岸遮水壁と凍土遮水壁の設置は無意味だったのではないのか。遮水壁を設置しなければもっと酷い汚染が起きていたと考えるのか?


 【全ベータ】
6.汚染地下水に含まれる高濃度ストロンチウム90(全ベータ)の起源はどのように考えるか。放射性セシウムとストロンチウム90の濃度が炉工学的には整合していない(核分裂収率と半減期は90Srと137Csはほぼ等しいので、地下水の汚染源になったはずのデブリでは両核種の比はほぼ1になる)が、これはデブリ形成の際の溶融温度の差で両核種が分別したと考えてよいのか。?


高温で溶融したデブリでは放射性セシウムは大気に揮発してデブリ中で枯渇したが、低温溶融では残っている。ストロンチウム90は全てのデブリに残留している。フクイチ構外の環境でストロンチウム90濃度が異常に低いアノーマリーはそのためか?


7.現在、地下水によってデブリから溶出、漏洩していると考えられる全ベータ(ストロンチウム90と放射性セシウム)については放射線防護上、リスクはないと考えているのか。リスクがあるなら早急な対策が必要ではないのか?


   【生態濃縮】
8.東電は地下水や海水の汚染レベルについて、WHOの飲料水基準(セシウム137 10Bq/L)に準拠して対応しているようだが、自然環境の生態濃縮係数(セシウム137の場合、数1000~数10000)(論文は腐るほどありますが、この分野ではテキストに載っている常識の話です。先にお送りした資料F4にも私が測定したデータが載っています。魚種、魚齢で異なるが1000~10000くらい)との整合はどのように考えているのか?


本当に10Bq/Lでよいと考えているのか。海水濃度が数Bq/Lの港湾内において時には1000Bq/kgを超える魚が捕獲されるが、その濃縮プロセスをどのように考えているのか?


【クリアランス】
9.放射線防護に関する、IAEAのクリアランスレベル(外部被曝0.01mSv/年)や安全基準拘束値(外部被曝と内部被曝を合わせて0.05mSv/年)の理念を、フクイチにおける環境放射能汚染に対してどのように適合させ、運用しようとしているのか。あるいはそんなものは無視して、自分の都合のいいような運用をしていくのか?


 【データの公開要求】
10.また、ストロンチウム90と放射性セシウム以外の全ベータ核種について具体的に核種と濃度を公表する必要がある。


 11.汚染地下水に核燃料物質及び超ウラン元素などのアルファ線放出核種はどのくらい含まれているのか提示すべき。


12.膨大な量の各種モニタリングデータについて公表していることは認めるが、外部の第三者が見ることを全く想定していない、内輪だけで理解できるような形式での公表になっている。モニタリングデータは東電と世間をつなぐ数少ない電線(パイプ)であるのだから、アーカイブの改革も含めて、データについて理解できている、もう少しまともな担当者を配置すべき。
 
以上のこれら疑義に対して明確に回答できなければ、ALPS処理汚染水の海洋投棄についても責任ある業務を行うことができないと理解する。






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