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原子力規制庁への追加質問

1月15日に原子力規制庁へ提出した質問は未だに回答はない。
質問は以下ご覧ください。
https://nimosaku.blog.so-net.ne.jp/2019-01-13

1月25日に開催した第143回の放射線審議会は、
あまりにも事務局(原子力規制庁)の恣意的な結論ありきの案に対し
審議会メンバーが誰も異議を言わないという異様なもの。
しかも最終判断は事務局と会長に一任するという事には驚きだ。
そこで、以下原子力規制庁に質問7(③と④)~質問10を追加質問した。

これでは何の為の審議会なのか、誰の為の審議会なのか?国民の為ではなく
いわゆる『原子力むら』の為の審議会と言わざるをえない。
論理的にも科学的にも、そして倫理的・社会的に見ても異常。
審議会メンバーの科学者としてのリテラシーを疑わざるをえない。
原子力規制庁(経産省・寄生庁)の虜になっていないのか??

次回の審議会ではメンバーに奮起してもらい、
国民視点(福島県民・リスク側に立って)是非再審議する事を期待したい。



   ―ーー以下が原子力規制庁への質問の全文ーーーー
        (今回は主に質問7(③と④)~質問10を追加)


原子力規制庁
(放射線審議会)

放射線審議会(第141回、第142回及び143回)等に関する質問および要望

【質問1】
①現存被ばく状況の適用期間とその適用条件と適用地域(東京も含まれているのか?)
②ICRPの現存被ばく状況の参考レベル(1~20mSv/y)の最大値20mSv/yを8年後も適用している理由。
③20mSv/y (20mSv/y×8年=160mSv) の健康(科学的・医学的・疫学的側面から)
及び人権(憲法、国際法、社会的側面等から)、そして国内法上(ICRPの勧告含む)
その妥当性の説明。
④現存被ばくについての扱い、いつまでが現存被ばくの適用時期なのかを判断する責任省庁はどこでしょう
か?20mSv/yの見直しはどこの省庁が管轄・実施するのでしょうか?
⑤この線量は実効線量と捉えるべきでしょうか?又その根拠を示してください。
⑤もし実効線量とした場合、実用量としての測定方法の基準を示してください。
⑥原発事故後8年も経過し放射線量が下がった今、ICRPや原子力安全委員会が言っている
「中間的な参考レベル」の設定は何故しないのでしょうか?
⑦「長期的には1mSv/yを目標」の条件や時期
⑧日本政府は緊急時被ばくの避難指示と現存被ばくの避難解除条件は異なるべき(現存被ばく避難解除条件は緊急時被ばくの避難指示のレベル比べ低い値とする。注1)との認識に欠けている。原子力規制庁のご見解を教えてください。
注1:The reference level for the optimisation of protection of people living in contaminated
areas should be selected in the lower part of the 1–20 mSv/year band recommended in Publication 103 (ICRP, 2007) for the management of this category of exposure situations.

第141回放射線審議会の資料(141-4-1)について。
【質問2】
放射線審議会の141回の資料は空間線量率と実効線量の関係の整備と題して、
『個人線量計の実測に基く追加被ばく線量を「個人線量当量」』としていますが
以下の疑問があります。
『放射能がばら撒かれた福島県内で(ROT条件下)個人線量計で測定すると、
AP条件下 での測定値の約0.7倍になり、その数値が周辺線量当量から実効
線量当量への換算係数(約0. 6)に近い値になっています。
しかしながら、医療従事者は線源が1か所のAP条件下での実測となり、それを
個人線量当量としています。

従い、同じ個人線量当量でもROT条件下とAP条件下では約3割の違いがあり、
個人線量当量がダブルスタンダードとなっていると考えます。
医療従事者や放射線取扱者よりも乳幼児や子どもを含む一般国民(福島県民)の
方をより厳しく(低線量に)すべきですが、現在は逆になっています。少なくとも医療
従事者等と同等かそれ以下に見直すべきと考えます。
原子力規制庁のご見解をお聞かせください。

【質問3】:P13の図7について
 ①相馬市や伊達市のデータのうち、都合の悪い(被曝線量の高い)データは削除し、
都合の良いデータのみを抽出してグラフ化している理由(早野・宮崎論文のデータでは
被ばく線量値が空間線量の0.6倍とする線量値を超えている住民も確認されているにも
関わらず、被ばく線量の多い住民は削除されている)
 ②サンプル数が極めて少ない理由
 ③この(①と②で示したように)加工されたグラフが科学的なデータとし審議会資料として
提出された理由

【質問4】:P14のグラフについて
 ①福島市、二本松市、伊達市、郡山市のそれぞれのバックグラウンド(BG)値はいくらですか?
 福島市と伊達市は千代田テクノルのガラスバッジを使用し、年間0.54mSv/y。(原発事故前の千代田テクノ ル(株)の研究所の大洗の空間線量値)、二本松市は1.02~1.26mSv/y、郡山市は0.63~0.70mSv/y。(原発事故以降に市役所内で測定したコントロールバッジの値)か?
②いつの時点で調査したデータですか?
③BG値が過剰に引かれているこれらのデータが審議会で使用されていますが、妥当と考えますか?
(詳細は【質問5】をご覧ください)
④もし妥当だとするならば、その理由をご説明ください。

【質問5】:P14のグラフについて(続き)
個人線量計(ガラスバッジ)の測定値は空間線量値の約0.7倍になり、子ども達の行動パターンから推定するBG値は二本松市では0.24mSv/y程度になり、BG値が過大に引かれています。
詳細は『参考資料1:二本松市の個人線量測定のデタラメ』をご覧ください。
本件に対する原子力規制庁のご見解をお聞かせください。
又、二本松市内3個所での実証試験結果の論考『参考資料2:個人線量測定で明らかになった事』に対する原子力規制庁のご見解をお願いします。ご見解として相違がある場合は、具体的にどこの部分が相違するのか、その理由等も含めて原子力規制庁のご見解をお聞かせください。

     参考資料1の【二本松市の個人線量測定のデタラメ】は以下をご覧ください。
     https://nimosaku.blog.so-net.ne.jp/2018-11-16

     参考資料2の【個人線量測定の問題提起】は以下ご覧ください。
     https://nimosaku.blog.so-net.ne.jp/2018-07-17


【質問6】:P15のグラフについて
 ①飯館村民38人の年齢構成、男女構成、職業構成はどのようになっていますか?
又屋外で仕事をしている人は対象になっていますか?
(飯館村民がこの時期に屋外に出ている人はいなく、飯舘村村民を対象にする事自体は統計的な正確性、正当性の点からも疑問)
 ②伊達市や他の市町村のデータでは個人差が大きく、バラツキも大きく表れています。しかし、飯館村のこのデータでは直線状にサンプルが並んでいます。その理由を教えてください。
科学的なデータ(報告書)としては正確性や正当性に欠けるのではないでしょうか?
③サンプル数が38人と非常に少なく、この報告書をもとに審議会で議論をし、結論を出す事が正当とする統計的・科学的な論拠を教えてください。

【質問7】:P16のグラフについて
①空間線量から国が試算する線量値(空間線量値の0.6倍、青色の線)を超えて被ばくしている人もいます。屋外で8H以上、屋外で働く人(農水産業や土建業等に携わっている方等)と推定されます。従い、青色の線量値を一つの目安とする事は市民のリスク管理からは正しいものと考えます。なぜ平均値で議論しているのかの論拠を示してください。むしろ最大値で議論すべきではないでしょうか?
②個人線量計の計測に基づき、個人線量当量を採用した場合は、同じ家族であっても被ばく線量値が異なります。この事は家族間の分断、地域間の分断、職業毎の分断等、大きな社会問題がでてくる可能性があります。この分断を無視してまでなぜ、個人線量当量での管理を議論しているのでしょうか?その理由を教えてください。除染や帰還の線引きを個人単位で実施するという事でしょうか??

住民や市町村、福島県の意見も聞くべきと考えます。公聴会の開催も必須です。
③第143回の放射線審議会(資料「東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえた緊急時被ばく状況及び現存被ばく状況における放射線障害防止に係る技術的基準の策定の考え方について(案)」で、この早野・宮崎論文は削除されました。その理由を明らかにしてください。

④第143回の放射線審議会では一旦早野・宮崎論文は削除されましたが、学術論文として認められれば再度掲載するとしました。しかしこの論文は伊達市長が宮崎氏に伊達市内のCエリアの除染しなくてもいいという事を市民に説得する為に論文を書いて欲しいと頼んでいた事が発端であり、その為宮崎氏は伊達市からのデータ入手以前に千代田テクノル社からのデータを直接入手したもの。これは伊達市個人情報保護条例第9条に違反する行為であり、法的に罰せされる行為である事は明らかです。(注2)
このような不正行為の論文を再度掲載するということは放射線審議会(原子力規制庁)としての国民からの信頼が失墜するものと考えますが、原子力規制庁のご見解をお聞かせください。

注2:伊達市個人情報保護条例は、第9条で、個人情報の職員による目的外使用と機関外の
者への提供を禁じています。宮崎氏や早野氏は機関外の者ですから、伊達市からの提供は
できません。ただ例外が認められることがあります。そのうちの一つが学術研究のためですが、
これには当てはまりません。
なぜなら、研究が開始されるのは福島医大が研究計画書を承認 した2015年12月17日
以降だからです。千代田テクノルは個人情報の取り扱いを委託された者です。
この場合も職員と同じことが言えます。

以下はOurPlanet-TVの記事転載
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node%2F2363&fbclid=IwAR12lNkAvz8F7oRC0JhdOdLOWRTU-sIEjZcDvXwNig6r-RW_zPQtk8kwNVw

【市のデータ提供前に解析終了】
宮崎氏が使用を認めたのは、伊達市の個人線量計測を受託している千代田テクノルから入手したデータ。伊達市から個人線量分析業務を受託している同社は2015年2月13日金曜日、「成果物の品質向上を図る」との名目で、宮崎氏と早野氏にデータを開示したいと求める文書を仁志田前市長に提出。土日を挟んだ16日月曜日、市は個人情報保護審査会にかけることなく承認した。
 
早野龍五東大教授に手渡されたデータは即座に解析作業が進められ、同年7月には、1本目の論文に掲載されている図やグラフがほぼ完成していたとみられる。宮崎氏が7月30日に、市の健康推進課と打ち合わせをした際、職員に示した図やグラフの解析人数や分布が、2016年8月に「Journal of Radiological Protection」に投稿した論文のデータとほぼ一致していた

放射線審議会第143回の資料(143-1-1)について

【質問8】 P14の③まとめについて
『・そのようなばらつきがあることを前提としても、個人線量の平均値は空間線量率から換算式で推定される被ばく線量に比べて低い傾向にあった。
・ これらを踏まえれば、空間線量率と実効線量が関係付けられている基準は、元々安全側に立った
仮定が置かれていたが、結果としてさらに相当程度の裕度があったといえる。』と記載していますが、
①伊達市等でのデータでも空間線量率からの換算式を超えている住民もあり、余裕があったとは到底言えません。住民のリスク管理から言ってもこのような結論になる科学的・統計的なご説明をしてください。
②また何故平均値で議論するのか?リスク管理は平均値で議論する科学的な根拠を示してください。
結論ありきの『まとめ』と言わざるを得ません。

③『個人線量の平均値は空間線量率からの換算式で推定』という文言は間違っています。あくまでも屋外(木造)8H、屋内16H滞在した場合の周辺線量当量を推定している換算式です。一方個人線量計による測定は、ROT状態下において、0.7倍になった実効線量当量に近い数値です。同じ条件下でもすでに30%小さくでます。比較する条件(周辺線量当量と実効線量当量)が異なっています。原子力規制庁のご見解をお聞かせください。(放射線審議会や原子力規制庁ですらこの事を理解できていない事には驚きです!)
④また『個人線量の平均値は空間線量率からの換算式で推定』の文言を修正すべきです。
(原子力規制庁・放射線審議会の名誉の為にも誤解を解いてください)

【質問9】
 第143回放射線審議会(2019年1月25日開催)に小生の2019年1月15日付質問及び要望を議論に反映させなかった理由をお聞かせください。

【質問10】
国連人権理事会の勧告に引き続き、2019年1月16、17日に開催された子どもの権利委員会で、日本の子どもの権利についての総括所見が採択(勧告)されました。子ども達の放射線被ばくに関する部分は以下の通りです。

環境保健
36.委員会は、子ども被災者支援法、福島県民健康管理基金および「被災した子どもの健康・生活対策等総合支援事業」に留意する。しかしながら委員会は、持続可能な開発目標のターゲット3.9に留意しつつ、締約国が以下の措置をとるよう勧告するものである。
(a) 避難対象区域における放射線への曝露〔の基準〕が、子どもにとってのリスク要因に関する国際的に受け入れられた知見と合致することを再確認すること。
(b) 避難指示区域以外の地域出身の避難者(とくに子ども)に対し、金銭的支援、住居支援、医療支援その他の支援を引き続き提供すること。
(c) 放射線の影響を受けている福島県在住の子どもへの、医療サービスその他のサービスの提供を強化すること。
(d) 放射線量が年間1mSvを超える地域の子どもを対象として、包括的かつ長期的な健康診断を実施する
   こと。
(e) すべての避難者および住民(とくに子どものような脆弱な立場に置かれた集団)が精神保健に関わる施  
設、物資およびサービスを利用できることを確保すること。
(f) 教科書および教材において、放射線への曝露のリスクについておよび子どもは放射線への曝露に対して
 いっそう脆弱であることについての正確な情報を提供すること。
(g) 到達可能な最高水準の身体的および精神的健康を享受するすべての人の権利に関する特別報告者が
行なった勧告(A/HRC/23/41/Add.3)を実施すること。

本採択について放射線審議会はまったく議論しておりません。国連人権委員会の勧告も、この子ども人権委員会の採択(勧告)も何故放射線審議会では議論しないのかの見解をお聞かせてください。又今後議題に乗せる予定があるかもお聞かせてください。

詳細は以下ご覧ください。
「ARC 平野裕二の子どもの権利・国際情報」サイト 暫定翻訳
https://www26.atwiki.jp/childrights/pages/319.html?fbclid=IwAR11Wiplxr-g5PlgIj4mbS0g6DjTTkiJYFXR_KtmNJlZDDWmxs85of4wp-c

【要望1】
審議には消費者や被害者の意見も取り入れるべきです。
①審議委員には消費者や被害者(福島県民)の代表(参考人としてでも)も加えてください。
②公聴会を少なくとも福島県、東京、大阪を含め全国で実施してください。
③質問1~6に示した資料を正当な資料に代えて「東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえた緊急時被ばく状況及び現存被ばく状況における放射線障害防止に係る技術的基準の策定の考え方について」消費者や被害者(福島県民)の代表(参考人としてでも)も加えて、審議をやり直してください。

【要望2】
現在の個人線量測定方法は各市町村個別の判断で実施しており、そのデータの信頼性には大きな疑問と問題があります。このようなデータを利用している事自体が放射線審議会(原子力規制庁)の信頼を揺るがすものになっています。そこで以下要望します。要望に対するご回答をお願いします。
1.二本松市のBG値(1.02~1.26mSv/y)に対する問題点の指摘と改善策の提案。
2.事故後の追加分の個人線量測定の問題点(二本松市も含めた)に関する議論と見解の公開。
3.現在各市町村がそれぞれ独自に実施している個人線量測定方法のガイドライインの策定と福島県、及び各市町村への提言。追加被ばくの個人線量値にはBG値を必ず明記する、あるいはBGを含めた個人線量値を示す方法もご検討ください。


第142回放射線審議会の資料(142-2)についての要望

【要望3】:P4の表2について
基準値から水道水を外しています。飲料水の中に井戸水や水道水も入れてください。
(管理目標値には水道水も含まれていますか?)

【要望4】:P5の記述について
①『「乳児用食品」及び「牛乳」については小児の期間は感受性が成人より高い可能性がある 
ことを踏まえて「一般食品」の2分の1の50Bq/kgを基準値としている。』としています。
乳幼児の放射線に対する感受性は大人の5倍以上とも言われています。乳幼児の生物学的半減期は大人の半分?程度だとしても、これから生きる時間が長い乳幼児は大人の1/5程度(注3)にすべきです。
注3:感受性(5~10倍程度、年齢によって異なる)、生物学的半減期(2分の1程度、年齢によって異なる)、摂取量(年齢のよって異なる)等を考慮し、余命が長い事から更に2分の1~4分に1程度をかけた値にすべき

②ヨウ素を基準に入れてください。今後原発事故が発生した場合も想定し、ヨウ素の基準も入れておくべきと考えます。(緊急時の基準としても)

【要望5】:食品全般について
①食品の内部被ばくの線量計算時にはICRPの換算係数(Bq→mSv)を利用していますが、この係数が必ずしも正しいものとは言えないとする一部の専門家もいます。
又ECRR等では、ICRPの換算係数の数倍~数十倍としています。又放影研等では内部被ばくに関する検討を放棄しています。この換算係数が正しいとする根拠を教えてください。 ICRPが正しくECRRが間違っているという根拠も合わせて教えてください。
又、換算係数の見直しをICRPと共に実施してください。(ICRPに要望ください)
もし見直しに時間がかかる場合には、ICRP委員らと相談し安全側になる暫定的換算係数を採用すべきです。

②食品の残留放射能に関する日本と海外(EU、アメリカ、コーデック)との比較では海外基準は緊急時の基準との比較であり、比較する前提が異なっています。逆に食品によってはウクライナやベラルーシの基準の方が日本よりも厳しいのです。政府は「日本は世界で最も厳しいレベルの基準を設定して食品や飲料水の検査をしており」とうたっていますが緊急時の基準値を並べて日本の値を厳しく見せ、「世界で最も厳しい」と印象づけようとしています。ICRPのBq→mSvへの変換係数が5分の1程度と小さいとの専門家の意見もあり、食品によってはもっと厳しくても良いのではないでしょうか?
以上





















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