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二本松市長への手紙

二本松市長に個人線量測定に関し以下の手紙(メール)を出した。
大きな予算を投入して実施している二本松市の個人線量測定を正し、そして今までのデタラメな数値を修正する事を期待したい。

二本松市
三保市長殿
                    2020年1月10日


明けましておめでとうございます。日頃からのご尽力に敬意を表します。
福島県内で実施されている個人線量測定の問題(とりわけ二本松市のデタラメ)については、ICRP、原子力規制委員会や放射線審議会、そして原子力学会はじめ保健物理学会や多くのシンポジウム等でも問題提起され議論されています。


以下はICRP委員でもあり、原子力規制委員会の委員でもある某氏からのコメントです。
他のICRP委員数名からも同様なコメントを頂いています。
是非、大きな予算を投入して実施している二本松市の個人線量測定を正し、そして今までのデタラメな数値を修正すべく、ご指導をお願いいたします。

           ――――以下某氏からのメールを転載―――


メール並びに資料を拝読しました。
確かに、住民の個人モニタリングにおけるBGの扱いについては、注意が必要だと思います。
放射線作業者のモニタリングであれば、作業を行う場所が日常生活の場から切り離されているので、コントロール・バッジを作業場以外の適当な所に保管することで、通常は事足ります。

しかし、事故由来の放射性汚染による住民の被ばくは、日常生活の中で生じるものであるため、話は単純ではありません。
BGの値を適正に見積もることは、線量評価の精度向上につながります。また、地域や家屋の構造、生活行動パターンによって自然放射線からの被ばくは変化するため、厳密にはその変動も考慮する必要があります。このように考えると、住民の個人モニタリングにおいて、自然放射線起因のBGは一つの誤差要因と捉えることができます。

各市町村が実施しているモニタリングについては、経緯を存じ上げないためコメントは差し控えますが、一般論として、モニタリング・プログラムにおける誤差の管理をどうするかが問われているのではないでしょうか。測定誤差が少なくなるよう工夫するとともに、測定結果を解釈
する際に誤差を適切に評価する、そういうことだと思います。

また、「シーベルトに関する『混乱』は、シーベルトが異なった線量概念で使われていることに主要な原因がある」という平山先生の指摘については、私も同感です。周辺線量当量、個人線量当量、実効線量といった複数の線量概念が存在し、それらがすべてシーベルトで表されるというのは、なんとも複雑怪奇です。

これらの線量概念は必要に応じて発展してきたとは言え、あまりにも複雑になりすぎた結果、世の中が不可解な数値に振り回されていると言ったら、言い過ぎでしょうか。先日の報告会でもお話ししたように、放射線防護において線量を測定・評価する目的は、被ばくの大きさ(程度)を把握することにあるはずです。原点に立ち返って、「線量」とは何なのかを今一度問い直すべきではないか、そんなふうに感じています。

                                                  × ××
詳細は以下をご覧ください。

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