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環境省との交渉(その2)

参議院議員会館で開催された環境省の参事官補佐と
市民との政府交渉の結果(その2)を主催者の記録を以下転載。

『環境省との交渉』は以下ご覧ください。
http://nimosaku.blog.so-net.ne.jp/2014-06-23

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6/19の環境省交渉の続きの報告です。
(主催:「放射線被ばくと健康管理のあり方に関する市民・専門家委員会」。
交渉の趣旨および集会での配布資料はこちら
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/619-ff67.html

報告は下記のブログにアップしていますので、よろしければご紹介ください。
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-c700.html

交渉の後半では、疑い含めて89名の子どもたちに甲状腺癌が見つかり、リンパ節
への転移が多発しているという極めて深刻な事態を踏まえ、国としての対応、環
境省の甲状腺被ばくに関する認識、専門家会議のあり方、健診の充実や医療費減
免の具体化について質疑を行いました。

当方からは、6月10日の開催された、福島県健康管理調査委員会甲状腺部会にお
ける鈴木眞一福島医大教授の発言を引用しつつ、甲状腺癌の中にリンパ節転移な
どの深刻な症例が多いこと、チェルノブイリ原発事故後に見られた小児甲状腺癌
にも同様の特徴がみられたこと、福島医大だけでは対応しきれないこと、もはや、
事故との因果関係がないと決めつけることはできず、国として迅速な対応が必要
であることをあげ、環境省の認識を問いましたが、「福島県の委員会での議論を
見守る」と回答したのにとどまりました。

参考)リンパ節転移が多数~福島県の甲状腺がん- OurPlanet-TV 2014/06/10
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1793

また、環境省ウェブサイトの「最近の甲状腺検査をめぐる報道について」の中で、
「1080人の小児を対象にした甲状腺線量の測定が行われ、その結果はスクリーニ
ングレベルである0.2μSv/hを超えた方がおらず、低い線量にとどまるものでし
た」とあることに触れ、環境省の専門家会合の中でも、不確実性や限界が指摘さ
れており、かつ、2011年3月に実施した体表面スクリーニングの基準から、甲状
腺被ばく線量が100mSvを超えていた人たちも多かった可能性を指摘する論文もあ
ることを紹介(Study2007(2014年5月)「体表面汚染スクリーニングが示す初期甲
状腺被ばく防護の不備──もうひとつの「実測データ」による線量推計」岩波
「科学」,p.0541)。
https://docs.google.com/file/d/0ByB40AplT7Q4YjVTYzhpTmp5MWs/edit
しかしこれに対しても、環境省は「専門家会議」が検討すると回答。
当方は、ウェブサイトの当該箇所の削除を求めました。

やり取りの中で、同席した崎山比早子さん(高木学校)が、環境省が事務局をし
ている「東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う住民の健康管理のあり方に関
する専門家会議」宛に送った質問状の取り扱いについて問いました。

崎山さんは第4回の「専門家会議」で意見陳述を行っており、それに対するフォ
ローアップの意味合いもあり、この質問状を出したとのことです。
質問状は下記からダウンロードできます。
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/post-6da3.html

これに対して環境省は、「委員への配布はしない」と返答しましたが、
なぜそう判断したのかは示しませんでした。

さらに、当方からは、下記の対応と福島原発事故の対応が違うのは
何かを問いました。
・JCO事故時の住民は、「評価推定線量が1ミリシーベルトを超える者のうち
健康診断を希望する者」が健診の対象となっている
・JCO事故時の住民健診では、委員会報告の検診項目を基本に,乳幼児や学童に
おいては,リンパ球数などの血液検査,成人については市町村が独自に行ってい
る検診項目を希望に基づき追加している。
・原爆被爆者の健診の対象は、一般健診においても.視診、問診、聴診、打診及
び触診、CRP定量検査、血球数計算、血色素検査、尿検査、血圧測定、ヘモグ
ロビンA1c検査、肝臓機能検査(医師が必要と認める場合)と多岐にわたる。

※これについては、吉田由布子さんのプレゼン資料がたいへんわかりやすいので、
ご覧ください。
https://dl.dropboxusercontent.com/u/23151586/7_140619_yoshida.pdf

環境省はこれについても「専門家会合で検討する」との回答でした。

最後に、「子ども・被災者支援法」第十三条第三項に規定している医療費の
減免を実施すべきではないかと質問しました。
これについても、「そのような要望が多いことは承知している。
今後、専門家会議において検討される。」とのことでした。

質疑の中で、参加者(田島さん)が、「環境省は専門家会議の傍聴申込みを
早々に打ち切った。
傍聴席が当初よりだいぶへっている)と指摘し、「専門家会議で、今中論文が
批判されたときに、傍聴者から”今中さんを招聘して意見をきけばいいじゃないか”
と発言があったら、その傍聴者を追い出したのみならず、いまになっても彼の
傍聴を認めていない。これはひどい」と発言されました。

(その後、田島さんも、何も不規則発言していないのにもかかわらず、「不規則
発言した」ということで傍聴が断られたそうです)

環境省はなんでもかんでも「専門家会議」で検討することにしてしまっていますが、
傍聴した人はおわかりになると思いますが、この専門家会議は、福島原発事故後の
被災者に向き合って、現状を踏まえて専門的に議論するような場所ではありません。
人選もおかしいと思います。
きわめて不確かな1080人のスクリーニング検査の信ぴょう性を延々と論じたり、
薄弱な根拠で、県外の被ばく量は大したことなかった、健診は必要ないという結
論を導こうとしているようにみえます。

本来であれば、市民に開かれ、被災当事者やその代弁をすることができる弁護士、
市民目線の専門家にも参加させ、被災当事者の聴き取りなどを行うべきでしょう。

それなのに、招聘した専門家の質問書も握り潰し、まっとうなことをいう傍聴者
を追い出し、市民の傍聴を断り、形だけ外部専門家に意見をのべさせ、いったい
何をしようとしているのでしょうか。

同専門家会議の議題や資料、委員は下記からご覧ください。
http://www.env.go.jp/chemi/rhm/conf/conf01.html
次回は、すでに傍聴を締め切っていますが、6月26日の17時からです。岡山
大学の津田先生が外部専門家として発言するとの情報も得ています。
Ust配信されるようなので、ぜひUst傍聴をしましょう。

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