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汚染水の海洋放出に反対する

二人の学者のFBの記事を紹介する。

★フクイチのALPS「処理水」の海洋放棄に反対する!★

日本政府、東京電力がとうとうやりました。ALPSで処理した「処理水」は、基準以下のトリチウムしかないので、安全であり、「飲んでも平気」「中国その他どの国でももっと濃いトリチウム水を原発から流している」ので、何の問題ないと。

放出に反対する野党も、関係団体の了解なしに放出しない約束を破った!ということが最大の反対理由になっており、業界団体は政府の科学的・技術的な説明はだいたいわかったが、風評被害が怖いと言うものが中心のようだ。

私は、風評がどうたらではなく、科学的に問題を正確に批判しなければならないという立場から、以上のような「反対論」には距離をおいてきた。

では中国が猛烈に反対し、日本からの水産物の輸入を全面ストップしたのは正しいのか?何が問題なのか?アメリカは安全だと言っているのに(笑)。

実は当たり前の話なのだ。これまで、大きな原発事故は、79年のスリーマイル島原発事故以降三回目がフクイチの事故だったわけだが、スリーマイル島原発事故では、汚染水は蒸発させる方式を取り、残った泥は砂漠深くにコンクリで固めて埋めた。チェルノブイリでは、つい最近、フランスの協力で石棺を再構築して放射能をばらまかない措置を取った。

公海にメルトダウンした汚染水を放出するのは人類史上初めてのことであり、汚染水は、日本の領海内に留まらないわけで、すべての国が抗議する「権利」がある。

トリチウム水を放出しているのは中国その他、すべての原発だという議論があるがトンデモナイ話である。原発は原理的に燃料棒を冷却するのに比熱の大きい水を利用するが、その水を放出などしない(笑)。ループを作って循環させ、その途中で河川や海水によって、循環する水を冷却する。その際、重水素に原子炉から放出される微量の中性子が当たり、これを吸収したものがトリチウムになる。各国が放出しているのはこのトリチウムだけを含んだ冷却水で、海水等より6度高い温度の水を放出する事になる。

日本の場合は、そうではなく、燃料棒に触れた様々な核種を含んだ汚染水をALPSで処理したものを直接「公海」に放出したわけだ。こんな事は、どこもやっていない!

そもそも処理水というがALPS自体120数種類ある、核種の中で処理できるのは63種類であり(多分)、政府はトリチウム以外も纏めて基準を満たしているというが、セシウム・ストロンチウムなどの核種が混ざっていることは周知の事実である。

これは排水口近辺の水の核種ごとの濃度一覧で公表されている。トリチウム自体の安全性については様々な議論があり、私の能力では安全性の確認はできないが、基準なるものは環境への負荷ではなく、人体への安全性に限定されている。仮に人体に安全であっても環境への負荷が大きいという事例はCO2をはじめいくらでも指摘できる。

また、様々な核種の汚染が、基準内だと善解したとしても、食物連鎖による濃縮はありうるし、今後30年にわたって放出された場合の影響は、単純ではない。

正直言って、国際法にも抵触しかねない放出は、国連で非難決議が上がっても不思議でないものですらある。アメリカが大丈夫だと言っているので、そんなことにはならないだろうという「楽観的」認識だろう。

そもそも、慌てて放出する根拠すらない。フクイチの周りには、人が住めない30年貸与の土地が山程あり、富岡町には、汚染水をコンクリで固めて、地中深く埋める施設もある。環境省が所管するこのような土地に汚染水のタンクを設置することは十分可能であり、処理の方法も少し述べたが、コンクリで固める、蒸発させるなど方法は複数ある。

トリチウム以外の核種を確実に含む「汚染水」を公海に垂れ流すのは直ちに中止すべきである。

日本の海産物輸出の4割は中国宛である。全面ストップの被害は計り知れない。いつまで続くのかもわからない。風評被害がどうたらというレベルで考えてはならないだろう。東南アジア諸国は、当面は容認しているように見えるが、汚染水は太平洋を一巡する、トリチウムは12年で半減するが他の核種はそうは行かない。将来に大きなリスクを背負うことになる。

関係者に休業補償のようなゼニを流して忘れてもらう方法は止めてもらいたい。

放出する「汚染水」は、貯蔵タンクの三分の一であり、これからも増えていくので、福島の復興などには無縁である。半径10キロ以内にからは人口の90%以上が消え、20キロでも8割が消えている状態で、廃炉の展望すら定かでない。メルトダウンした炉心の状態などロボットだけでは分からず、素粒子ミューオンなども活用して透視する方法などが開発されてきたが、まだまだ道は遠い。

地震や台風の災害が再度起きる可能性も高く、「風評被害は責任を持って対処する」などとホラを吹く前に、政府はやることがたくさんあるはずである。軍拡などしている暇はない!

○参考文献:烏賀陽弘道『福島第一原発事故10年の現実』緻密な調査と継続した観察で出色の著作である。

以下の動画『日本政府の11のウソ』が分かりやすい。
この11以外にも多くのウソがある。
https://www.youtube.com/watch?v=Q4199GGE20U

★「したがって海に流そう」という結論は、何かが間違っている★

    【一部略】

縄文時代の約 16千年前から、縄文人の「Yハプロイド染色体の DNA」は変化する(突然変異する)ことなく、そのまま現代に伝わりました。それも、日本列島が低放射線量の国であったからにほかなりません。

日本は原子爆弾を投下されましたが、それだけに日本は放射性物質を海洋に放出しないことによって、目立たないが、日本の国としての品性と、民族としての矜持(きょうじ プライド)を世界中に知らしめてきました。それは海外から見て尊敬し得ることでした。

福島第一原子力発電所では毎日 100トンの汚染水が発生しています。これは石油備蓄基地のような 11万トン入りの大型タンク 66基で 200年間保管することができます。トリチウムは半減期が約 12年ですから、200年後には最初のころのタンクはトリチウム量が百万分の一になっています。そのときは、我われにこの国土を残した縄文人に恥じることなく、海に放流することができるでしょう。現在の福島第一原子力発電所の敷地内に 66基の大型タンクを順次設置することは可能です。

福島第一原子力発電所のデブリ冷却によって毎年発生するアルプス(ALPS)処理水のトリチウム等放射性物質の総量は、フランスのラ・アーグ再処理工場などで毎年発生するトリチウムなどの放射性物質の総量よりも格段と少ないことが分かっています。

したがって、海に流さないで済むでしょう。「したがって海に流そう」という結論は、何かが間違っています。

 

 


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