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厳しくなる農薬の基準

【農薬の規制が厳しくなる】

日本は中国や韓国とともに、単位面積あたりの農薬使用量は非常に多かった。そして、農薬の使用基準を緩和したのも日本だったが、国民からの声が届いたののだろうか?今年4月から基準を厳しくする法案が施行さえるとの記事が日本経済新聞に載った。久しぶりの朗報だ。記憶と記録の為に、その記事を掲載する。

日経新聞2020年2月19日夕刊 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55807280Z10C20A2MM0000/


昆虫など生態系に影響を与えかねない農薬への規制が世界で厳しくなっている。日本では農薬取締法の改正に伴い、今年4月以降、農薬の安全性の評価が厳格になる。先行する欧州連合(EU)では、虫などの神経に作用する農薬の使用を禁じた。健康や環境への影響を懸念する消費者の声に応える各国政府の動きに農薬メーカーは対応を迫られている。

改正農薬取締法によると、4月からは、農薬が生態系に与える影響が安全かどうかの評価が厳しくなる。安全性の評価の対象が広がり、毎年報告する必要が生じる。

農薬メーカーは、農薬を使う人や生態系内にある動植物にどんな影響を与えるかを調べる必要がある。農薬の成分が生態系に害を及ぼさないかどうかを調べ、毎年報告しなければならない。

評価の対象も広がる。これまでは主に河川が中心で、農薬をまいた後、田や畑から川などに流れ出る水を通じ、魚などに影響が出ていないかを中心に調べていた。4月以降は生態系全体への影響を重視し、昆虫や鳥など陸上の動植物が加わる。

背景にあるのは、欧米の規制強化の動きだ。虫や植物の体内に残った農薬がヒトの健康や生態系に及ぼす影響を分析した研究結果が相次ぎ、消費者から規制を求める声が高まっている。

例えば、ニコチンに似た成分を含むネオニコチノイド系農薬は、植物や虫の神経に作用する。科学者の間では、ミツバチの大量死との関連が指摘されている。EUでは2018年、クロチアニジンなど3種類を主な成分とするネオニコチノイド系農薬について、屋外での使用を禁じた。

米国でも環境保護局(EPA)が15年、指定した農薬について、空中散布などによる安全性の再評価が終わるまで承認しないと表明した。再評価は当初、17~18年に終わる予定だったが、影響が大きいことから20年にずれ込んでいる。

欧米の規制強化を受けて、日本でも21年から農薬の有効成分の安全性について、15年おきに最新の技術で再評価する制度を導入する。当初は、ネオニコチノイド系農薬など出荷量が多い14品目が対象となる。

農薬メーカーは負担の重さを懸念する。「安全性の評価にかかる費用は数千万円単位になる」(農薬工業会)という。試験できる施設が限られるなか、評価の対象が広がり、手続きや作業の負担が増える。日本総合研究所の古賀啓一マネジャーは「再評価の負担に耐えられない農薬メーカーが出てくる可能性がある」と指摘する。

それでも、生態系全体で中長期の安全性を求める声は世界的に強まる見通し。医薬・農薬大手の独バイエルは、主力の除草剤に発がん性があるとして、米国で4万件以上の訴訟を起こされ、現在も係争中だ。国内外で農薬の生産、販売を手掛ける日本のメーカーも安全性のチェックは避けて通れない状況にある。

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