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国連科学委員会レポート記者会見時の質問例

 国連科学委員会(UNSCEAR)が7月19日に記者会見を実施する。
20日、21日にはパブリックミーテングが実施される。その時の質問例を考えてみた。当日は英文にし、UNSCEARに提出も考えている。参加者が情報共有する事。質問をしてもらう為の参考としてにここに事前に公開する。

 【UNSCEAR2020/2021レポート記者会見時の質問例】

 7月19日のUNSCEARの記者会見時、あるいは20,21日のパブリック・ミーテング時の質問例を纏めました。限られた質問時間の中で、効率よく質問する為には、事前に英文に、UNSCEARに渡す等の方法もあろうかと思います。

(英語の得意な方は英語で質問する)

【状況説明】

原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)は、「UNSCEAR2020/21報告書」の先行版が2021年3月に発表し、2022年3月になって確定版や日本語訳、内容の一部検証ができるElectronic Attachments(補足資料)を順次公表してきた。

2021年9月頃から多くの質問は反論を公開質問として、UNSCEARに提出しているが、一部の回答を除き、未回答が多い。

2022年6月に科学者や市民で構成された「UNSCERA2020/21レポート検証ネットワーク」が結成された。検証結果、深刻で基本的な誤り等、多くの誤りや疑問が発見され、逐次UNSCEARに対し公開質問を提出している。今後も誤りや疑問については継続的に公開質問していく予定。

【質問】

1. 検証委員会はじめ市民からの誤りや疑問等の多くの公開質問に対し、UNSCEARはいつまでに回答するか?そしてその結果をUNSCEARWeb サイトで公開する予定か?それはいつまで実施予定か?

2. 深刻で基本的な間違いや、間違った論文の採用、古い論文や査読無しの論文等の採用があった場合には、今後2020/2021レポートをどのように対応する予定か?
基本的重大な誤りならUNSUEARレポートの撤回が妥当と考えるがどうか?

3. 事故発生から出荷・摂取制限までの約10日間、そしてその後の1か月程度の食品からの内部被ばくを無視したり、特に315-16日の放射性プルームの規模を過小評価するなど、初期内部被ばく(経口摂取+吸入摂取)を大幅に過小評価・矮小化している。この件に対し、UNSCEARの実態及び見解はどうか?

4. これらの恣意的と思える過小評価・矮小化は、すべての県民の初期内部被ばくの線量値に大きく影響し、県民健康調査検討会の結果にも大きな影響を与える。

社会的・政治的・科学的にも影響が大きすぎる。再検証・再評価すべきだが、内容次第ではレポートの撤回が妥当と考えるが、UNSCEARの今後の対応は?

5.事故当初の野菜が出荷停止し、摂取制限になる3月21日頃までは、野菜や牛乳は市場に出回っていた。この間住民や避難者は放射能に汚染された自家栽培野菜やスーパー等から購入した野菜を食べていた。3月19日の野菜の汚染は飯館村の雑草でヨウ素131が88万Bq/kg、大玉村でほうれんそうが4.3万万Bq/kgを超えていた。3月15日には原発から北西部38kmの地点では雑草で123万Bq/kg検出されている。 

大玉村のほうれんそうを1日100g、12日間摂取した場合の幼児の甲状腺等価線量は約125mSvとなり100mSvを超える。飯館村や浪江町津島では、その20倍~30倍の内部被ばくになる。(2~3Sv

  これらを全く無視しているのが、UNSCEAR2020/2021レポート。

①この実態はご存じか?
40のシナリオで、UNSCEARレポートは食品からこの実態をどのように評価したのか?

UNSCERAは初期の農産物からの初期被ばくは無視したものと言わざるを得ず、科学的にも公正・中立とは程遠い。レポートは撤回すべきと考えるがどうか?

6. 日本人は昆布の摂取が多いとの理由で、放射性ヨウ素の体内への取り込み率を西洋人の1/2にした。又UNSCEAR2020 パラグラム147には

The Japanese population traditionally has an iodine-rich diet, containing up to tens of thousands of micrograms of stable iodine a day, which is greater than the worldwide average by about two orders of magnitude [K5, L3, N2, Z6, Z7].と書かれている。

訳すと「日本人は伝統的にヨウ素を多く含む食事をしており、1日に数万μgの安定ヨウ素を摂取しており、これは世界平均より約2桁も多い」となる。

以下の理由でこの1/2を採用する理由は見当たらず、矮小化と判断し撤回を求める。

   この根拠は60年以上前の北海道の40歳代の男性の15人程度のデータをもとにしている。このデータは、出典が古く、限定的な人数、地域、年齢のデータであり、現在の子供たちの食生活を反映したものではない。取り込ヨウ素の体内蓄積量は地域や個人差によっても大きく異なる。 

   日本人が飛びぬけて(ダントツ1位)で世界平均の2桁もヨウ素摂取が多いと言う事実はない。日本人のヨウ素の摂取量は世界的にみても過剰摂取グループには入っていない。(2019年の世界の国のヨウ素栄養状況は174ヶ国中23番目)

日本の子供たちはWHOが規定する標準範囲内で、過剰摂取はしていない。(注)UNSCEARレポートは(恣意的に)誤っている。

これは実態とはかけ離れた、誤解を与える誤った表現で即時撤回を求める。
                                          

注:WHOの指針(WHO_NMH_NHD_EPG_13.1_eng.pdf)では学童(School-age-children)の尿中ヨウ素量の中央値は300μg/L以上が「過剰ヨウ素摂取」、100-300μg/Lが「適量ヨウ素摂取」、100μg/L未満が「ヨウ素摂取不足」と定義しており、日本の学童は「適量ヨウ素摂取」状態であり、決して「過剰ヨウ素摂取」でではない。

   福島県健康調査検討会で提出された表5によると、がんが見つかった116人とその他の人との尿中ヨウ素データの中央値は195~216であり、日本の子供たちが過剰にヨウ素を取り込んでいる事はない。
従い、日本人の取り込み率を1/2にした事は(恣意的な)誤りで、撤回すべき。

7.尿中ヨウ素データ (μg/day

                   最小値 25%値  中央値  75%値   最大値

悪性ないし悪性疑い  116人   4 2    129.5      216    369.8      6,020

その他         1,969   2 4    119     195     364      35,700 

 

7.屋内退避効果としてUNSCEARは内部被ばくを一律屋外の1/2にした。

(鈴木元氏らの論文の屋内退避効果は、0.05~1.0としたJAEAEの論文をもとに、中央値の0.5を採用したようだが、中央値を採用した事は、被ばくの実態を表していない。UNSCEAの専門家からの異論は出なかったのか?この事は非科学的と言わざるを得ない。

名古屋大学の教授らのシミュレーションによると、日本の家屋はプルームが通過した後、1~3時間程度(家屋による)で屋外と同じ汚染状況になる。

更に、屋内に充満したプルームは窓を閉め切ったままだと、一旦汚染されると長時間屋内に滞留し、屋外よりも内部被ばく線量値が増える可能性がある。

今回の3月15~16日は9時間程度プルームが流れていた事を考慮すれば、一律に1/2にするのは科学的であり、過少・矮小化であり撤回すべき。屋外以上に被ばくした可能性も考慮すべき。

7. 福島医大の論文の多くは、福島医大以外の研究者は県民健康調査のデータは利用できない為、再現する事は不可能な状況。他の研究者による再現ができない論文は、科学の常識では科学論文とはみなされない。

   このような状況で、他の研究者が再現できない福島医大の論文は科学的論文といえるのか?                                       

   福島医大の論文をUNSCEARが取り上げ、レポートに反映している事は科学的なレポートとは言えないが、どうか?

   UNSCEARは科学や医療の発展及び、UNSCEARレポートの信頼性向上の為にも福島医大のデータの情報公開を促すべきではないか?なぜ要請しないのか?                                                   
   このような論文を採用したUNSCEAR2020/21レポートには科学的信頼は無く、倫理的にも撤回すべきと考えるが、如何か?

8. 今後、更に検証続けると新たな疑問・疑惑が発見される可能性がある。その都度UNSCEARに公開質問を提出するが、以下要請したい。 

  ①    速やかな文書での回答(3週間以内希望)
    速やかにUNSCEARHPに質問および回答を公開する事
    UNSCEARとの公開での意見交換会を設定して欲しい(来年春頃)
④ 20219月に20問の公開質問をしているが、一部の質問以外は未だに質

  問毎の回答を頂いていない。いつ回答が頂けるか?

 

 

 


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