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汚染水海洋放出に関する原子力規制庁からの公式回答

汚染水海洋放出に関する「正当化」等に関し原子力規制庁に質問していたところ、以下の回答が届いた。海洋放出に関する「正当化」について、原子力規制庁は関与していないとの回答。

このような回答は予想はしていたものの、若干の期待もしていたのだが・・・
原子力規制庁に質問する事で、この問題のまやかしを規制庁が認識した事は成果と言える。原子力規制庁の上層部もこの問題を認識し、原子力規制庁としての公式な回答である。

原子力規制庁への質問は以下ご覧ください。
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2023-07-24

(以下の回答には質問の詳細が記載されていない)

【解説】

規制庁からの回答:
『正当化を行う主体は日本政府であり、原子力規制委員会は、政府方針によって決定されたALPS 処理水の海洋放出について、東京電力から申請があった海洋放出の設備や運用について安全性を審査し、認可したものです。

お尋ねのIAEA 包括報告書の文面
「It was acknowledged that the TEPCO’s application based on the approach identifiedby the Government of Japan was reviewed and approved by the regulatory body, NRA」は、上記について記載されたものと理解しています。

日本語訳:
『IAEAの審査を通じて、日本政府によって特定されたアプローチに基づく東京電力の申請は、規制機関である規制委によって審査・承認されたことが認められた。」

ここの日本政府によって『特定されたアプローチ』というIAEAの文面は規制庁が正当化についても検証したかのような誤解を与える文面で、規制庁は正当化を審査・承認しなかった事が、規制庁からの回答で確認できたと言う事です。

 ---以下規制庁からの回答ーーー


××× 様

                          令和5年8月3
                             原子力規制庁

7 月24日に送付いただいた汚染水海洋放出に関する規制庁への質問に対して、下記のとおり回答させていただきます。

【質問1】
IAEA は単に留意すると記載。日本政府の正当化を認めたわけではない。
IAEAと日本政府の言っている事は矛盾だらけのまやかしであり、まさに欺瞞と言っていい。規制委によって正当化?が審査・承認されたとの記載があるが、規制委員会は正当化をどのように評価し審査したのか?その審査の過程も含めた議事録を開示して欲しい。

【質問2】
この矛盾と欺瞞・まやかしに対し、規制委員会(規制庁)は、この事に関しどう評価したのか?そのプロセスも含めた議事録を公開して欲しい。

【回答】
正当化を行う主体は日本政府であり、原子力規制委員会は、政府方針によって決定されたALPS 処理水の海洋放出について、東京電力から申請があった海洋放出の設備や運用について安全性を審査し、認可したものです。

お尋ねのIAEA 包括報告書の文面「It was acknowledged that the TEPCOs application based on the approach identified by the Government of Japan was reviewed and approved by the regulatory body, NRA」は、上記について記載されたものと理解しています。

【質問3-1】
規制庁はどう評価したのか?規制庁としてのご見解を聞かせてください。

【質問3-2】
海洋放出はSDGs のアジェンダと逆行し、違反しないか?規制庁はどう評価したのか?規制庁としてのご見解を聞かせてください。

【回答】
原子力規制委員会は、水産資源保護法及び「持続可能な開発のための2030 アジェンダ」を所管しておらず、お答えする立場にありません。


【質問4】
本件、規制庁はどう評価したのか?

【回答】
東京電力は、政府方針を踏まえてトリチウム濃度の運用の上限値を1,500 Bq/L と設定しており、規制委員会は、この上限値が規制基準を十分に満足するものであることを確認しています。


【質問5】
規制庁はタスクフォースの虚偽データをどう評価したのか?
タスクフォースはやり直しすべきではないか?

【回答】
原子力規制委員会は、海洋放出に関連する費用について、お答えする立場にありません。


【質問6】
規制庁はタスクフォースの検討結果にどう関与したのか?この検討結果や検討プロセスをどう捉えてか?タスクフォースはメンバー入れ替えてやり直すべきではないのか?

【回答】
原子力規制委員会は、令和3年7月の日本政府とIAEA との間での取り決めに基づき、ALPS 処理水の海洋放出に関する規制についてIAEA のレビューを受けました。レビューの枠組みについて、原子力規制委員会はお答えする立場にありません。

【質問7】
規制庁は海洋放出後の拡散をどう評価したのか?その評価プロセスと結果を開示願いたい。

【回答】
原子力規制委員会は、昨年7 22 日に変更認可したALPS処理水の海洋放出関連設備の設置等に係る実施計画の審査書「第2章 政府方針に照らした確認」において、東京電力が行った放射線影響評価を確認しています。東京電力は、放射線影響評価の中で海洋拡散に関するシミュレーション結果を示しており、原子力規制委員会は、計算領域境界部(490km×270km)のトリチウム濃度が日本周辺海域の海水中トリチウム濃度を十分下回っていることを確認しています。

 

 


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