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UNSCRAR2020/2021報告書の問題点に関する環境省への再質問と回答

UNSACEAR2020/2021報告書の問題点に関し、環境省に質問していたところ、第1回目の回答が届いた(回答:青色部分)。

しかし、いずれも従来のUNSCEAR2020/2021報告書に依拠する回答であった為に、更問(再質問)をしていた。(以下の質問の赤色部分)

2週間後に回答があったが、個々の質問に答える事は無く、以下のような回答であった。

『当該報告書に対する個別具体的な指摘の全てについて、環境省が把握・回答することは困難であり・・・』との回答には驚き、呆れるほかない。
個々の質問に回答する事が困難なら、
UNSCEAR2020/2021に依拠した政策を撤回する必要があり、多くの原発事故関連訴訟での国側の主張は完全に破たんしている事となる。

以下環境省からの公式な回答である。

【環境省 大臣官房環境保健部 放射線健康管理担当参事官室 回答】
UNSCEAR2020/2021年報告書は科学的・中立的な立場から、福島第一原子力発電所における事故による放射線被ばくのレベルと影響について調査・評価等した上で取りまとめられたものと認識しています。当該報告書に対する個別具体的な指摘の全てについて、環境省が把握・回答することは困難であり、学会等の場における国内外の専門家の幅広い議論に委ねたいと考えています。』

この回答はツッコミどころ満載であり、彼らにはUNSCER2020/2021報告書を独自に検証する能力が無い事を露呈した、驚くべきお粗末な回答である。
但し、収穫としては少なくとも環境省がUNSCEAR報告書に問題点がある事を認識させて事である。

370名もの甲状腺がん患者へ寄り添う姿がまったく無く、環境省の無知・無能・無責任さだけを表す結果となった。今後は国会議員や有識者への情報提供とともに、対応を検討していく。

 以下が2024年3月12に某国会議員事務所経由からの環境省への再質問である。

環境省 大臣官房 環境保健部
放射線健康管理担当参事官室 殿

UNSCEAR 2020/2021 報告書に関する問い合わせに対する回答に対する 再質問


1.2021年3月に UNSCEAR が発表した日本語のプレスリリース「放射線被ばくが直接の原因となる 健康影響が将来的に見られる可能性は低い」は読んでいますか?(知っていますか?)

①はい

2.2021年3月に発表した『UNSCEAR 2020/2021報告書』の全文(日本語訳及びアタッチメ ントは2022年1~3月頃に発表)は読んでいますか?

  ほぼ全文読んだ

再質問2:
質問3でUNSCEAR報告書の内容について質問しているにもかかわらず、単なるUNSCEAR報告書に依拠していると答えています。『ほぼ全文読んだ』としていますが、内容について十分検証し、理解したようには思えない回答でした。
以下について再度質問します。

  完全に読みこなし、内容についてもパラグラフ毎に十分検証した。(理解した)

  ほぼ全文読んだが十分理解できていない。

③ 読んだ内容について検証できるほど知見は無い。
UNSCER報告書の内容を単に信じるだけの知見しか持ち合わせていない)

3.2項目の質問で①と②と答えた方に質問します。プレスリリースと全文(原文または日本語訳)の内 容に乖離は無かったですか?(注1、注2をご覧ください)

④その他

報告書及びプレスリリースは、いずれも原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)の責任の下で発行しているものと承知しております。

再質問3-
質問の答えになっていません。
UNSCEAR
報告書の内容の検証結果について質問しています。

UNSCEAR 2020/2021報告書のパラグラフ219(注1)及びUNSCEAR 2013報告書(注2)には以下の記載があります。

上記の回答から環境省と『甲状腺がんは放射線の影響を否定できない』事を認めたと理解しますが、以下再確認します。

  注1及び注2とも当然認める。(UNSCEAR報告書に依拠するから)

  検証できるほど科学的知見を持ち合わせていない。答えられない。

(もし②の科学的知見を持ち合わせていなとするなら、放射能の影響を否定する事もできないはずです。)

注1:UNSCEAR2020/2021報告書は被ばく線量が過少評価されているにも関わらず、パラグラフ219には以下の記載があります。

『当該委員会は、線量がUNSCEAR2013年報告書で推定された線量範囲上 限に近い場合には、十分に大きな集団では、放射線被ばくによる甲状腺がんの発生率の識別可能な上昇につながるかもしれない、個人におけるリスク上昇が暗に示されている可能性があると考えた。』


本行・大阪大名誉教授が指摘するように、実態はUNSCREAR報告書よりも更に大きく(2桁以上)被ばくしているとすれば、更に甲状腺がんへの罹患者が増加する事になります。

注2:UNACEAR2013報告書には以下の記載があります。
『委員会は、成人の甲状腺への被曝線量を最大で以下であると推定した。

最も影響を受けた地区では、かなりの量があるものの約35mGyと推定された。
但し、個人差がかなりある(約2~3倍、またはそれ以上
)。

1歳の乳児の場合、最も被害が大きかった地区の平均甲状腺被曝線量は最大で約80mGyと推定された。UNSCEAR、最も被曝した子どもたちのグループにおける甲状腺がんのリスクが増加する理論的可能性を指摘し、状況を注意深く追跡し、将来的にさらに評価する必要があると結論づけた。』

※3倍なら105mGyまたはそれ以上となる。但し本行・大阪大名誉教授によると、最大値比率は平均地からは23倍、中央値からは100倍。100倍の場合は3.5Gyとなる。)


再質問3-2:

もし、再質問3-1で②と答えた場合、環境省として福島の甲状腺がんについて語る資格は無いし、甲状腺がんの放射能の影響を否定する事もできないと考えます。反論があれば、以下に科学的な検証結果(エビデンス)を開示ください。

4.3項目で、②と答えた方に質問します。そこはどの部分(パラグラフ等)でしょうか?(上記注1、 注2もご参考としてください)
5.3項目で、①又は③と答えた方に質問します。

該当しません。

再質問5:パラグラフ219は読みましたか?この部分については日本語のプレスリリースでは触れていません。プレスリリースに違和感はないのでしょうか?

  違和感を感ずる ②気付かなかった ②検証できる知見を持ち合わせていな

6.当時福島県内に住んでいた約370人の子ども達が甲状腺がんに罹患しています。 この数は異常に多いと県民健康調査委員会の見解が出されています。現在も甲状腺がん患者は増え 続けています。甲状腺がん患者はがん摘出手術後に、肺に転移したり、再発している患者(※)も出 ています。このような事態はご存知ですか?

  その他

福島県が開催している「県民健康調査」検討委員会の場で報告されている範囲において承知しており ます。

再質問6-1
以下の福島医大の鈴木眞一教授の論文はご存知ですか?

  知っている。 ②知らない 

福島医大の鈴木眞一教授(執刀医師)は以下を学会で発表。

2022年までの217人の症例で第1回目の術後の患者の全体9.7%にあたる21例が再発。肺転移が4例、全摘患者の再発率は12.5%。RI治療両方は16人。リンパ節移転も再発例は86%


再質問6-2:
②の知らないとするなら、環境省として県民健康調査検討会の委員には相応しくありませんので、辞任すべきと考えますが如何でしょうか?

  辞任する。

  もっと実態把握に努め、370名の甲状腺がん患者の立場になって発言する。 

再質問6-3:

  の知っている場合、②の知らない場合のいずれの場合も、再発したり転移したりした原因は何だとお考えですか?

7.摘出手術を執刀した福島県立医大の鈴木眞一医師は「しなくとも良い手術はしていない」と断言して います。甲状腺患者は今も増え続けています。370人以上の甲状腺がんの原因は、何だとお考えで しょうか?

  その他

UNSCEAR2020/2021 年報告書(日本語版)によれば、「本委員会の改訂線量推定値から、放射線が関連 した将来の健康影響が更に識別できそうにない程度である。本委員会は、利用可能なエビデンスを比 較衡量した上で、被ばくした小児において検出される甲状腺がんの症例数の予測に対する大幅な増 加は、放射線被ばくの結果ではないと考えている。むしろ、それらは、超高感度の検診手技が、人口 集団において以前は認識されていなかった甲状腺異常の有病症例を明らかにした結果である。」と記載されております。

再質問7-1:上記内容が記載されているUNSCEAR報告書のパラグラフNoを明記ください。

再質問7--1USCEARの報告書について聞いているわけではありません.。環境省として、甲状腺がんの原因は何だと捉えているのかを尋ねています。

370名の甲状腺がんの原因は何だとお考えでしょうか?
(再質問6-3と関連も、質問は若干異なる。)

再質問7--2:
環境省の回答は都合のよいパラグラフだけをつまみ食いしているようです。環境省がUNSCEAR報告書を全て読んでいない事が明らかとなりました。再度確認します。すべて読んで、内容について十分検証し、理解しましたか?

   完全に理解(検証含む)した。 ②理解(検証含む)できない部分がある。 ③ 理解(検証含む)できる知見と能力が無い。

最質問7-3:

再質問3の回答では、環境省はUNSCEAR報告書に完全に依拠しています。UNSCEAR報告書パラグラフ219では、『被ばくしたグループでは甲状腺がんの患者の可能性がある』と指摘しています。環境省はUNSCEARの依拠している事で、この事も認めると理解します。

もし否定する場合、その理由を教えてください。正当な理由がない場合は被ばくによる甲状腺がんを認めると理解します。見解を教えてください。

 

再質問7-4:
UNSCEAR
報告書では『超高感度の検診手技が、人口集団において以前は認識されていなかった甲状腺異常の有病症例を明らかにした結果である。」としていますが、日本の臨床医の多くは『むしろ高感度機器でがんの詳細な形態がわかり、手術に至る症状が減っている。高感度機器は過剰診断を防いでおり、UNSCEAR報告書は逆の事を言っている』と言っています。  (再質問12-3、Q5と関連)

再質問7--1:多くの臨床医が言っている事が正しいと考えます。もし否定する場合はその科学的な理由及び論文やデータを示してください。

再質問7--2:環境省として超高感度の機器の有効性・弊害について独自に検証しましたか?

 ①検証していない ②検証した。

再質問7--3:①と答えた場合、この重要な問題をなぜ検証しないのですか?命に係わる事をなぜ放置しているのですか?

再質問7--2:②と答えた場合、その検証結果とそのエビデンスを教えてください。

再質問7-5:370名の甲状腺がん患者に対し、環境省としては今後何をすべきと考えていますか?

再質問7-6:今後更に、甲状腺がん患者(子どもも大人も)が増える事はUNSCEAR報告書でも言及されています。環境省として福島の子供たちや大人たちの健康と命を守る為に、今何をすべきと考えていますか?

8.7 項で①及び②または④と答えた方に質問します。

そう考えた理由や根拠を教えてください。

①と答えた方は、手術は必要なかったとお考えでしょうか?その場合、術後に再 発や転移した患者が相当数いますが、その理由は何だとお考えでしょうか? その理由を以下の空欄にご記入ください。

   または④と答えた方は、そう考える理由を、以下の空欄にご記入ください。

該当しません。

最質問8-1:370名もの甲状腺がん患者の手術は必要無かったとお考えですか?

再質問8-2:手術後に再発や転移した患者がいます。その理由は何だとお考えですか?

最質問8-3:もしも甲状腺がんが見つかって手術しなかった場合、その患者はどうなっていると予測しますか?


9.別紙2に示した『UNSCEAR、日本政府、日本側関係者らとの利益相反構図』はご存知でしたか?

⑤その他

UNSCEAR は以下のような組織であると認識しております。

1950 年代に大気圏内核実験が頻繁に行われた結果、環境中に放射性物質が大量に放出された。こうした放射性降下物による環境や健康への影響について懸念が増大する中、1955 年の国連総会決 議により設立された。

・科学的・中立的な立場から、放射線の人・環境等への影響等を調査・評価等を行い、毎年国連総 会へ結果の概要を報告するとともに、数年ごとに詳細な報告書を出版している。

・日本は 1955 年の発足当初から加盟し、現在の加盟国は 31 か国である(2022 6 月時点)。

再質問9:
UNSCEAR
の専門家グループ(執筆者)らに、日本作業グループや一部の専門家(関与者)が偏ったデータや情報を提供した事は、執筆者や某日本の専門家が暴露しています。またこの関与者は環境省が拠出した研究費を使って、放射線被ばく線量を過小化した論文を出し、その論文をUNSCEARが採用した事が明らかとなっています。

UNSCEARが公正・中立だとしても、日本側からの偏ったデータ(論文)や情報・助言によって、歪められています。

被ばく線量値が矮小化されたUNSCER2020/2021報告書に依拠している環境省(日本政府)との構図は利益相反と言えます。本件に関する見解(反論??)を具体的な事例を含めて教えてください。


10. 上記9項目で④と答えた方に質問します。 利益相反には当たらないと考える理由
   や利益相反に関するご意見を以下の空欄にご自由にお書きください。

該当しません。

最質問10:利益相反に関し正当な説明(反論?)ができない場合は、利益相反を認めたものと理解します。


11. 添付しました本行・大阪大学名誉教授の解説動画や資料(100ヶ所以上の問題点)をご覧になって、疑問や質問がございましたら、以下にご記入ください。
頂いたご質問は 1 週間を目途に 文書かメールで回答致します。多くの率直な質問をお寄せください。

放射線健康管理担当参事官室では、UNSCEAR 報告書は科学的・中立的な立場から、放射線の人・ 環境等への影響等を調査・評価等した上で取りまとめられたものと認識しております。この報 告書に対する個々の研究者の見解については、学会等の場における国内外の専門家の幅広い議 論に委ねたいと考えております。

再質問11:UNSCEAR議長および事務局長はUNSCEAR2020.2021報告書に代わるあらたな報告書策定(改定版)の可能性も示唆しています。(以下の手紙参照ください)
環境省はこの事に同意しますか?130ヶ所もの問題点を放置する事は有ってはならい事です。有った被ばくを無かった事にする事は罪と言えます。

Dear Mr. ×× ××(小生)

Thank you for your recent emails and the emails of 3 August, 4 September, 5 September, 7 September, 9 and 18 September 2023. Your concerns and the information provided to the secretariat are well received and noted.

The UNSCEAR 2020/2021 Report, annex B Levels and effects of radiation exposure due to the accident at the Fukushima Daiichi Nuclear Power Station: implications of information published since the UNSCEAR 2013 Report provided a comprehensive evaluation of the scientific information available (up to the end of 2019) relating to the levels and effects of radiation exposure due to the FDNPS accident.

When new relevant scientific information and peer-reviewed literature become available, considering its quantity and quality, the Committee will evaluate the need for another review and assessment of the implications of information published since the UNSCEAR 2020/2021 Report.

Sincerely,

Jing Chen
Radiation Protection Bureau, Health Canada (議長)

追加質問12:
環境省はUNSCEAR2020/2021報告書を『ほぼ全文読んだ』と回答しています。
UNSCEAR
報告書は以下のどれを採用しているかを教えてください。

追加質問 12-1:
UNSCERAR2020/2021報告書における、住民(子ども達含む)甲状腺被ばく線量評価は以下のいずれでしょうか?UNSCEAR報告書は以下のどれを採用したかを教えてください。

  最小値 ②平均値 ③中央値 ④最大値 

注:子どもの線量評価をする場合は最大値で実施する必要があります。

再質問12-
福島県の健康調査検討委員会では福島医大が初期内部被ばくも含めた甲状腺被ばく線量値を評価しています。福島医大の甲状腺被ばく線量評価は、ほとんUNSCEAR2020/2021報告書に依拠しています。(評価のソース論文がほぼ同じ)
そこで、福島医大の甲状腺被ばく線量の推定値には以下のいずれが含まれているか教えてください。採用(適用)されていると思われる項目に〇を付けてください。

①プルームによる吸入摂取被ばくのATDMシミュレーションの平均値
②プルームによる吸入摂取被ばくのATDMシミュレーションの最大値
③プルームによる吸入摂取被ばくのATDMシミュレーションの最小値
高濃度プルームが飛んだ3月15日と16日の吸入被ばく線量は含まれている。
⑤高濃度プルームが飛んだ3月15日と16日の吸入被ばく線量は含まれていない。
⑥プルームによる屋内退避効果として屋外の1/2にした。
(注)
⑦プルームによる屋内退避効果はないとして1とした。
⑧日本人は昆布を大量に摂取しているから、甲状腺への取り込み率を1/2にした。
⑨日本人の昆布摂取は世界平均なので、甲状腺の取り込みは西洋人と同じ1にした。  ⑩問題の多い、1080人の甲状腺の直接測定値を活用した。 
⑪経口摂取被ばくは水道水のみを考慮した。
⑫経口摂取被ばくは出荷制限がかかるまで(3月23日)の農産物からの内部被ばくも考慮した。
⑬経口摂取被ばくは出荷制限がかかるまで(3月23日)の農産物からの内部被ばくは無視した。
⑭避難所等で食べた汚染された露地野菜からの被ばく線量を考慮した。
⑮避難所等で食べた汚染された露地野菜からの被ばく線量を無視した。


注:プルームは2時間以上のプルームの場合、屋内退避効果が無い事名古屋大学の評価で実証されています。

以上について3月27日までにご回答頂きたくお願いいたします。

                               2024年3月12日

            


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