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UNSCEAR2020/2021報告書には約130ヶ所の問題点

UNSCEAR2020/2021報告書には約130ヶ所の問題点

原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)は2021年3月に『UNSCEAR2020/2021報告書』を発表しました。「放射線被ばくが直接の原因となる健康影響(例えば発がん)が将来的に見られる可能性は低い」との日本語のプレスリリースを発表し、メディアや国民を意図的にミスリードしました。英語の本文とは内容が大きく乖離したものでした。

 2022年7月にいわき市で開催されたUNSCEAR主催のパブリック・ミーティングでは、多くの質問と疑問が専門家や市民から出され、UNSCEAR報告書の執筆者からは被ばく線量の過小化は、日本の某専門家の関与が大きい事が暴露されました。
 更に参加した専門家や市民からの多くの質問に対しては、UNSCEARからは納得いく回答は得られないまま、時間切れで質疑は打ち切られてしまいました。

 2023年11月に開催された日本放射線影響学会はじめ、多くのシンポジウムや学習会等で、本行・大阪大学名誉教授によって「UNSCEAR 2020/2021 報告書」には約130ヶ所の問題点(間違い、被ばく線量矮小化、歪曲・改竄等)がある事が報告されています。
この学会には鈴木元氏も参加しており、特に質問も異論も無かったとの事です。

 主な問題点は以下の通りです。(本行・大阪大学名誉教授他)

① 小児のヨウ素摂取量は世界標準並みであるにもかかわらず、日本人はヨウ素摂取量が多いからとヨウ素の取り込み係数を1/2にしている。

② プルーム(放射能雲)1時間存在した場合、屋内退避効果は、数時間~半日で無くなる(低減係数は1となる)が、報告書は、低減係数を1/2としている。

③ 食品規制が施行される前(出荷制限:3月23日)の約10日間に汚染野菜等が摂取されていたが、経口摂取による被ばく推計に食品摂取を含まず、飲料水のみ算定。

④プルームによる吸入被ばく推定に用いたモデル計算は、2桁以上(1/100)の不確実性を伴うことを報告書自ら吐露している。1/100以上の過小評価)

⑤推定値は最大値を示さず、中央値や平均値で示しているがこれは、大きな過小評価につながる。

例えば、報告書が示す40通りの被ばく推定値(40シナリオ)のうちの1つでは、最大値は700mGyで、中央値の100倍、平均値の23であることがグラフから読み取れる。

1080の小児の甲状直接測、福島の被ばく量の絶対的基礎データとし扱われているが、極めて多くの問題を抱えている。
 
 ・頚部の数値からバックグラウンドを引いた正味値の半数以上(55%)がマイナスか0であって、本来データとして解析できないものであったこと。

・簡易測定器使用のため核種の同定はできていないこと。

・測定時期が遅すぎたこと(最も危険な短半減期ヨウ素等はほとんど計測されない)。

・計測した人数が少なすぎたこと(チェルノブイリでは30万人以上が計測)。

30km圏外(4045km)の3地点の非避難者の計測で20km圏内の避難者の被ばく量の参考にはなり得ないこと。

・計測地点の近くに空間線量率が12桁高い地域が存在したこと。

   等々

さらに、この1080名の実測値が、チェルノブイリの30km圏内(立ち入り禁止区域)避難者25,000人の実測値と比較されて、福島の被ばく量はチェルノブイリより何桁も少ないとされているのが大問題である。

UNSCEAR報告書では超感度の検診手法で甲状腺がんを見つけたとしているが、高感度の超音波機器を用いると、不要な細胞診を減らし、有病率を減少させる。

UNSCEAR、日本政府、日本側関与者による利益相反によって、報告書が大幅に歪められた。(以下参照)

UNSCEARは2021年3月に「放射線被ばくが直接の原因となる健康影響が将来的に見られる可能性は低い」との恣意的とも取れる日本語のプレスリリースを発表し、メディアや日本国民をミスリードした。英語の本文とは大きな齟齬がある内容だった。


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