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汚染水海洋放出の問題点(その1)

汚染水(ALPS処理水ともいう?)海洋放出に関する問題点と疑問について纏めてみた。(前半部分:その1)
後半部:その2)は以下をご覧ください。
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2023-06-02-1


経産省と東電から是非回答を頂きたい。またメディアの皆さんには是非、以下を理解いただき、経産省や東電に質問と検証を実施し、報道する事を期待したい。


ALPS汚染水海洋放出に関する問題点と疑問】                                          


【1.約束違反】
★東電と政府は福島県漁連の「タンクに溜まっている水は国民の理解がないかぎりいかなる処分も行わない」との要請に対し、「関係者の理解なしにはいかなる処分も行わない」と約束した。しかし政府は海洋放出方針を決定してから、関係者の理解を得ます。説明を尽くしますと言っている。明らかに約束違反ではないか。


【2.世論は海洋放出反対・公聴会の開催を!】
★福島県内の多くの自治体は海洋放出に反対している。2020年2月の福島県内の世論調査でも57%が海洋放出反対している。
GXの原発推進も含め、日本では政策決定の在り方に民主主義が徹底的に欠けている。海外では市民の意見を聴いて原発政策を決定している。まずは福島県内数か所で経産省主催の公聴会を開催したらどうか?


【3.なぜ汚染水は増え続けるのか?】
★なぜ汚染水は増え続けるのか?大金を投資しつくった凍土壁は役立っていない?コンクリートのような工法で広域の止水壁を作って地下水を止めるべきとの専門家の意見もでているが、なぜ行わないのか?凍土壁の失敗を認めたくない為に汚染水が増え続け、海洋放出するとすれば本末転倒ではないのか


【4.処理水の定義と測定結果の情報公開】
★政府による処理水の定義は『トリチウム以外の放射性物質が基準を下回っている事』となっている。タンクに留められている7割近くは基準値を超えている(ストロンチウム90、ヨウ素129、セシウム137、さまざまなプルトニウム等)ので、処理水ではなく『汚染水』という事で良いか?
すべてALPS処理水と言っている事は情報操作ではないか?

★すべてのタンクについて62核種とトリチウム、そして炭素14の測定結果が公開されていない。(3つのタンク群のみ公開)公開されていないと言う事は汚染水の全容がつかめない状態で、海洋放出ありきで良いのか?全容をつかむまでは、海洋放出は止めるべきではないか?また未公開データはいつまでに公開するのか?

【5.ALPSの機能について】
★タンク保管の7割は汚染水。ALPSでの処理水は3割。ALPSは「使用開始前検査」を受けていない試運転状態。法的には「仮設」。ALPSのフィルターが破損したり、信頼性・安定性に欠ける。基準を超える7割の汚染水の割合が減っていないが、ALPSが正常に機能しているのか?

【6.トリチウムの危険性は有機結合型OBT】
★トリチウムの危険性はOBT(有機結合型トリチウム)にある。HTO(トリチウム水)は生物体の中に入ると炭素などの有機物と結合して有機結合型トリチウム(OBT)に変わる。細胞はOBTを水素原子とみなし高分子を構成する。ところがOBTは核壊変しヘリウムに変わってしまう。ヘリウムは結合を担う能力は無いので、OBTを使った高分子結合は壊れ、細胞は破壊される。これがトリチウムの危険の実態。
更にOBTはHTOに比べ20~50倍滞留時間が長い。OBTは染色体など重要器官で使われ、十分DNAを傷つける。

★トリチウムOBTの人体への影響は未だに、未確認。論文も無い。有機結合型トリチウム(OBT)の人体(細胞レベル)への影響に関する論文等は無いはずです。(短時間の魚類への影響は存在するが完全ではない?)。論文があるなら提示ください。
OBTに関してはIAEA、東電、規制庁はどのような見解も示していない。

【7.ICRPリスクモデルの欺瞞・線量係数矮小化】
★ICRPのリスクモデルでは電離エネルギーは体全体に、または臓器や組織に、また細胞全体に平均・均一に負荷すると仮定。しかし実際の内部被ばくでは、エネルギーは局所・部分的に集中的に負荷し、細胞を、臓器を破壊していく。ICRPの平均化概念は内部被ばくでは全く起こり得ない。ICRPのリスクモデルでは全く想定していない”元素変換(核壊変)による細胞破壊が起きる。

★ICRPのリスクモデルはエネルギー量(物理量)だけを問題にしている。人体の細胞にどのような影響をあたえるかという細胞科学的観点、あるいは体内に入った時にどのような化学的反応をみせるかといった化学的な観点は一切無視。徹底的に放射線物理学の観点からしかみていない。科学的には、いびつな体系。

★『トリチウム(HTO)無害論』はICRPの1Bq換算係数(1.8×10⁻⁸msV)が実情とはかけ離れている事。例えば年間100万BqのHOTを摂取しても18μSvと小さい。朝日や毎日のトリチウム無害論もすべてこの換算係数からでている。ICRP内部でもこの換算係数が科学的に妥当ではないとの意見が何度となくでている。しかしICRP勧告は頑として修正しない。しかしこの換算係数は5倍~10倍程度が妥当との専門家(ICRPの専門家も含め)の意見がある。

【8.健康被害の実態について】
★カナダの重水炉型原発周辺では、排水されるトリチウムで健康被害を指摘している調査結果や論文がでている。特に激しく細胞をつくる4歳以下の子ども・幼児・乳児・あるいは胎児にその被害は集中した。

★日本の玄海原発周辺でも住民の白血病が多発している調査結果がある。1998年~2007年の調査では玄海町の白血病による死者数は人口10万人あたり30.8人(前半の5年平均)~38.8人(後半の5年平均)と全国平均(5.4人~5.8人)の6倍~7倍。また原発から15km離れた唐津市でも全国平均の3倍程度。魚介類、飲料水、空気中に浮遊するHTOが原因と考えられる。

★厚労省が発表した平均寿命でワースト10には、下北半島の六ケ所村、東通村、むつ市等核燃料サイクル工場が設置されている周辺の自治体の寿命が短い。これはトリチウム海洋放出に関係していないか?トリチウムに汚染された魚介類、飲料水、空気中に放出されたトリチウムを吸入した事と関係あるのではないか?ないとするなら短寿命の要因は何か?


【9.燃料棒に直接触れた汚染水の海洋放出の前例はない】
★「ALPS処理水と、通常の原発排水は、まったく違うものです。ALPSでも処理できない核種のうち、11核種は通常の原発排水には含まれない核種です。通常の原発は、燃料棒は被膜に覆われ、冷却水が直接、燃料棒に触れることはありません。でも、福島第1原発は、むき出しの燃料棒に直接触れた水が発生している。処理水に含まれるのは、“事故由来の核種”です」(山本拓議員)
溶融燃料と接触した水の海洋放出は世界的に前例があるか?前例がないなら安全だと言える確証はまったくない。 デプリに触れた汚染水の海洋放出はあり得ない。


【10.トリチウム以外の放射性核種や溶融した物質の検証がされていない】
★政府は通常の原発でもトリチウムが発生し、海洋放出しているから、基準値以下に薄めれば問題ないとの説明をしているが、福島第一の場合は溶け落ちた核燃料に触れた水である事。政府はこの問題をトリチウムだけにファーカスしている。
海洋放出基準は放射性核種に限定し、核分裂した安定テルル、溶解した金属特にステンレス鋼材やジルコニウム,スズ等、さまざまな有機物、コンクリート、腐食酸、硫酸還元菌、放射性炭素等は含まれていない。
本件について経産省、東電、IAEA,規制庁はどのように判断しているのか?

【11.IAEAと日本政府は出来レース】
1.日本政府はIAEAを第三者機関の評価としていますが、IAEAと日本政府は海洋放出ありきで日本政府と協定を締結しているとすれば、公正・中立な評価は不可能。原発推進のIAEA以外の第三者機関の査察も受けるべきではないか?

 『IAEAと日本政府は出来レース』は以下ご覧ください。
※IAEAの立場は福島第一の汚染水の海洋放出を禁止すれば、世界中の原発を止めざるを得なくなる為、福島第一の汚染水の海洋放出を認可するしかないという立場。
(IAEAは原発推進の立場)


後半へ続く・・・









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