経産省と東電は海洋放出の「正当化」に答えられない
経産省は「正当化」についての検討もせず12、海洋放出を閣議決定しまっているので、今更、答えられないのだろう。このデタラメさが現在の日本政府であり、中国やロシア 太平洋諸国、ドイツ等への「正当化」を説明ができないでいる。まさに外交の敗北である。
以下は某冊子への原稿の一部
4.経産省・規制庁・東電への「正当化」に関する質問11,12,13
海洋放出の「正当化」に関する質問を、2023年7月24日に原子力規制庁13あて、7月27日に経産省12あて、7月28日には東電11に提出した。質問内容はほぼ同じものであった。
経産省や東電には2か月後に回答を督促しているが、2023年12月31日現在、未だに回答は得られていない。
紙面の制限で詳細は省略してある。質問と回答の全文は参考リンク・文献の11、12と13のURLをご覧ください。 規制庁の公式回答は5項目をご覧ください。
経産省は「正当化」についての検討もせず12、海洋放出を閣議決定しまっているので、今更、答えられないのだろう。このデタラメさが現在の日本政府であり、中国やロシア 太平洋諸国、ドイツ等への「正当化」を説明ができないでいる。まさに外交の敗北である。
IAEAの包括的報告書1は「ALPS処理水の管理方法の最終的選択の正当性は多くの利害関係者にとって極めて重要。日本政府から明確な説明がなされるべき」としている。IAEAは日本政府の「海洋放出の正当化は個別問題」※との見解を否定している。正当化を示せないままの海洋放出は国民への裏切りである。
※日本政府は太平洋諸国(PIFs)の質問に対し『ALPS 処理水の排出は「個々の側面」に相当し、福島第一原子力発電所(FDNPS)の廃炉は「全体的な慣行」に相当すると理解している。』と回答。
海洋放出を閣議決定以前に、政府と東電はどのようなプロセスで正当化を検討したのか?その定量的、定性的な検討プロセスとその結果が明らかになっていない。詳細を明らかにすべきである。
IAEAは『正当化の責任は日本政府にある』『日本政府がたどった正当化プロセスの詳細に関する評価は含まれていない。』※としている。
※IAEAの包括定報告書の2.3項の正当化には以下の記載がある。
『日本政府からIAEAに対し、ALPS処理水の海洋排出に関連する国際安全基準の適用を審査
するよう要請があったのは、日本政府の決定後であった。したがって、今回のIAEAの安全審査の
範囲には、日本政府がたどった正当化プロセスの詳細に関する評価は含まれていない。
5.汚染水海洋放出に関する原子力規制庁への質問と回答13
2023年7月24日に汚染水海洋放出に関する「正当化」等に関し、原子力規制庁に質問していたところ、10日後に以下の回答が届いた。海洋放出に関する「正当化」について、原子力規制庁は関与していないとの回答であった。
原子力規制庁に質問する事で、この経産省の「正当化」問題の「まやかし」12を原子力規制庁の上層部が認識した事は成果と言える。
しかし、規制庁の立ち位置が一層明確になり、規制すべき部門がブレーキ役になっていず、経産省の虜になっている事が明らかとなった。
以下は原子力規制庁としての公式な回答である。紙面の制約上、詳細は省略してある。質問と回答の全文は「参考リンク・文献」の13のURLをご覧ください。
又「正当化のまやかし」については「参考リンク・文献」の12のURLをご覧ください。
1)日本政府への疑問 12 (詳細省略:4項目参照)
【質問1】 (注:経産省からの回答が得られない為、規制庁にもぶつけてみた。)
IAEA は単に「正当化する意思決定プロセスが日本政府によって踏まれたことに留意する。」としている。日本政府の正当化を認めたわけではない。
IAEAと日本政府の言っている事は矛盾だらけのまやかしであり、まさに欺瞞と言っていい。原子力規制委員会によって正当化?が審査・承認されたとの記載があるが、規制委員会は正当化をどのように評価し審査したのか?その審査の過程も含めた議事録を開示して欲しい。
2)日本政府の「正当化」主張12 (詳細省略:4項目参照)
【質問2】 (注:経産省からの回答が得られない為、規制庁にもぶつけてみた。)
この矛盾と欺瞞・まやかしに対し、規制委員会(規制庁)は、この事に関しどう評価したのか?そのプロセスも含めた議事録を公開して欲しい。
【規制庁の回答1,2】
正当化を行う主体は日本政府であり、原子力規制委員会は、政府方針によって決定されたALPS 処理水の海洋放出について、東京電力から申請があった海洋放出の設備や運用について安全性を審査し、認可したものです。
(以下一部省略)13
【質問3-1】13
水産資源保護法違反について規制庁はどう評価したのか?(詳細省略)
【質問3-2】13
SDGsの『14.海の豊かさを守ろう』に逆行していないか?(詳細省略)
【規制庁の回答3-1,3-2】
原子力規制委員会は、水産資源保護法及び「持続可能な開発のための2030
アジェンダ」を所管しておらず、お答えする立場にありません。
4)希釈の理由の明示が無い
IAEA報告書1は「希釈が放射線防護と安全の目的で行われることを意味しないように注意する必要」があり、「希釈の理由を明確に示すべきであると助言した」(41頁)と述べている。「薄めるから安全」は成り立たないのである。
政府と東電は希釈の理由と正当化について説明されていない。絶対量は変わらない。
尚、基準値は電力会社の都合で決めた値で、国が追認したもの。
【質問4】13
本件、規制庁はどう評価したのか?
【規制庁回答4】
東京電力は、政府方針を踏まえてトリチウム濃度の運用の上限値を1,500 Bq/L と設定しており、規制委員会は、この上限値が規制基準を十分に満足するものであることを確認しています。
5)海洋放出の手段は最も高価(詳細省略)
【質問5】13
規制庁はタスクフォースの虚偽データをどう評価したのか?タスクフォースはやり直しすべきではないか?
【規制庁回答5】
原子力規制委員会は、海洋放出に関連する費用について、お答えする立場にありません。
6)タスクフォースへの関与と評価(詳細省略)
【質問6】13
規制庁はタスクフォースの検討結果にどう関与したか?検討結果や検討プロセスをどう捉えているか?タスクフォースはメンバー入れ替えてやり直すべきではないか?
【規制庁回答6】
原子力規制委員会は、令和3年7月の日本政府とIAEA との間での取り決めに基づき、ALPS 処理水の海洋放出に関する規制についてIAEA のレビューを受けました。レビューの枠組みについて、原子力規制委員会はお答えする立場にありません。
質問7以下省略
参考リンクは以下
11.東電への正当化に関する質問全文:https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2023-08-18
12.海洋放出に関する政府の「正当化」説明は捏造:https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2023-07-19
13.原子力規制庁へも正当化に関する質問全文:https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2023-07-24
14.ALPS処理汚染水海洋投棄差し止め訴訟:https://alps-sashitome.blogspot.com/
15.マキジャニ博士記者会見@外国特派員協会動画:https://m.youtube.com/watch?v=yYlzuGEEdP8
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