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「原発ゼロ」を決済せよ!

以下はたんぽぽ舎のメルマガの一部を転載。

原発依存内閣 「原発ゼロ」を現代で決済しよう
                 鎌田 慧(ルポライター)


福島第一原発事故の避難者の生活を見聞きするだけでも、この人たちの生活の困難さばかりか、喪失感の大きさを考えさせられる。
いきなり避難を命じられ、ごく普通の日常がまったく暗転、それからもう10年近くも故郷を追われ、家族はバラバラ。自分の生活に置き換えてみれば、その苦境をすこし理解できる。それでも、官義偉首相は再稼働を強行しようとしているのだが、その理由が30年後の2050年、温室効果ガスの排出を「実質ゼロ」にするためという。

環境問題に全く無関心だった安倍政権に代わって、遅ればせながら、二酸化炭素削減方針を打ち出した。が、その手段が完全に行き詰まった原発の再稼働。毒をもって毒を制するアクロバット。「安全最優先で原子力政策を進める」と菅氏。世耕弘成・自民党参院幹事長は「新技術を取り入れた原発の新設も検討することが重要だ」。梶山弘志経産省は「今後10年間は再稼働に全精力を注ぐ」。

事故の悲惨と被災者への想いは全くない。繁栄の頭上に髪の毛一本でぶら下がっている「ダモクレスの剣」。あるいは回転式拳銃に込められた実弾一発に賭ける、ロシアン・ルーレット。原発の安全性もまた運任せ。避難訓練付き装置など果たして人間のためなのか。核廃棄物処理は数万年後に続く負債。

 「原発ゼロ」を現代で決済しよう。
       (11月3日東京新聞朝刊25面「本音のコラム」より)
    






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