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福島県への質問と要請

環境大臣の抗議文に呼応した形で、福島県も5人の元総理に抗議文を提出した。その抗議文に対して質問と要請文書を福島県に提出した。


福島県 
 県民広聴室御中


日頃のご尽力に感謝申し上げます。

環境大臣が2月1日づけで、5人の元総理大臣あてに『福島県における放射能健康影響について』という抗議文を送付しておりますが、この抗議文はまったく福島県で起きている健康被害の事実とは異なり、266人以上の甲状腺がんになった子供たちを冒涜・愚弄し人権をも無視するもので、福島県民としては到底看過できるものではありません。
この抗議文は苦しんでいるがん患者の存在をも切り捨て、あたかも風評被害であるが如く言及しており、卑劣極まりない文書で、患者へと元総理大臣、そして国民への謝罪と抗議文書の撤回を求めているところです。

しかしながら、福島県知事はこれに呼応して、5人の元首相に対し抗議文ともとれる文書を発信しております。その中で「多くの子供たちが甲状腺がんに苦しみ」を否定するとも取れる記述をしております。

そこで以下の情報を提供するとともに質問と意見をいたします。
上記を鑑み、以下の質問(1~9)に真摯に答えていただく事、そしてこの質問に答える事によって、如何に実態とかけ離れ、患者を冒涜し人権侵害の抗議文である事が明らかになるはずです。

以上2月28日までに、以下の1~9の意見・質問へのご回答と患者等への謝罪と抗議文の撤回を要請いたします。


          【意見・質問】

1. 環境省及び福島県は『多くの子供たちの甲状腺がんに苦しみ』を否定しておりますが、266人以上もの子供たちが甲状腺がんに罹患し、苦しんでいる事は事実です。
① この事実を全面否定するという事でしょうか?
② あった事実を無かった事に歪めるということは、政府及び福島県自身が266人以上のガン患者を0人に偽装・改竄する事と理解しますが、その理解でよろしいでしょうか?

2.環境省からの抗議文には『福島の子どもに放射線による健康被害が生じているといった誤った情報を広め』とあります。
① 福島県としてもがんに罹患している266人以上の子供たちは放射線の影響でないと断言する科学的根拠を示してください。
② 放射能の影響でないと(注1)すれば、甲状腺がんに罹患した原因は何でしょうか?その科学的根拠も示してください。

注1:甲状腺がんの発症には地域差がある事は歴然です。数多くの論文も発表されています。少なくとも放射能の影響がなかったと断言できる科学的な根拠は明確ではありません。尚、過剰診断論は、放射能の影響を否定するものではありません。

3.環境省は『いわれのない差別や偏見を助長する』としていますが
① 『いわれのない』とは「正当な理由や根拠がない事や、不当である事を指す」言葉です。福島県としては「いわれのない」とは具体的にどのような事象でしょうか?
② 『差別や偏見』とは具体的にどのような事でしょうか?福島県としてはどのようにお考えでしょうか?
③ その『差別や偏見』は実際にあったのでしょうか?あった事例を開示ください。

4.266名以上の甲状腺がん患者を福島県としてはどのような位置づけで、捉えているのでしょうか?
① 266名以上のガン患者の存在を認めますか?
② 266名以上のがん患者が見つかった要因は何だと捉えていますか?
③ もしも過剰診断だとするなら、その根拠を示してください。
④ もしも過剰診断だとするなら、何%ぐらいの患者だと考えますか?
⑤ もしも過剰診断だとするなら、なぜ手術を止めなかったのでしょうか?それは誰の責任でしょうか?

⑥ もしもすべての患者が過剰診断によるものと主張するなら、266名以上のガン患者は不当に手術をさせられた事になります。
もしそうだとすれば、福島医大の執刀医を傷害罪で訴えるべきですが、提訴しない理由はなぜでしょうか?その理由をお聞かせください。
⑦ 手術した後に浸潤やリンパ節転移が生じ、肺転移や再発しています。この原因は何だと考えますか?
⑧ もしも過剰診断だとするなら、この子どもたちは手術等の治療は必要なかったのでしょうか?

尚、過剰診断論は完全に否定されています。(注2~5ご欄ください)

注2:高野氏らの過剰診断論は、「子どもの甲状腺がんは進行しない」というトンデモ論理です。実際には8割以上に浸潤やリンパ節転移が生じ、肺転移や再発。に高野氏の論文も過剰診断論も否定されている。詳細は以下のパワーポイントをご覧ください。
http://fukushimakyoto.namaste.jp/akiraka/pdf/20210223ookuma.pdf

注3:アメリカの甲状腺がんの増加は過剰診断で説明がつく可能性は低いとされている。
https://acsjournals.onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/cncr.32125

注4:アメリカで過剰診断論を主張していたWelchは論文不正で大学を追われた。
https://www.statnews.com/2018/09/13/gilbert-welch-resigns-from-dartmouth-over-plagiarism-dispute/

注5:過剰診断論を唱えている高野氏に対して、がん患者家族の会がすでに公開質問状を出していますが、高野氏は未だに回答していません。
これは過剰診断論が破綻しているから答えられないと言えます。
https://311kazoku.jimdofree.com/%E6%94%BF%E7%AD%96%E6%8F%90%E8%A8%80-%E8%A6%81%E6%9C%9B/20180319%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%AB%98%E9%87%8E%E8%AC%9B%E5%B8%AB%E3%81%B8%E3%81%AE%E5%85%AC%E9%96%8B%E8%B3%AA%E5%95%8F%E7%8A%B6/


5.環境省は『UNSCERAなどの専門家会議により、現時点では放射能の影響は考えにくいという趣旨の評価がなされています』とあります。また福島県からの抗議文にも「国連はじめとする国際的な科学機関などによる科学的知見に基づき」とあります。
① 国連科学委員会UNSCEAR2020レポートが放射能の影響が考えにくいと述べている文書を原文(注6)でどこの部分かをご回答ください。
② 国連科学委員会UNSCEAR 2020レポートは今後Appendixと小生等からの公開質問に対する回答がHPで回答される予定です(注7)。
さらに以下の注6~8をご覧いただければ、UNSCEARが放射線の影響が無かったという事は必ずしもあたらない事が理解できましたか?

注6:日本語のプレスリリースは誤ったメッセージになっていますが、原文はそのような記載にはなっておりません。UNSCEAR2020レポートは、放射能の影響を完全否定しているものではありません。

注7:UNSCERA 2020レポートは明石真言と鈴木元の共同作業で矮小化工作。50%の屋内退避効果や昆布を食べているからと西洋人1/2の甲状腺等価線量係数を採用。2013レポートから内部被ばくを1/4にした非科学的レポート。UNSCEARは、この事に気づいて新たなAppendix作成中も、いまだにリリースされていない。詳細は以下をご覧ください。
前半部分:https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2022-01-20
後半部分:https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2022-01-20-1

注8:2011年3月16日の川俣町の葉菜は凄まじい汚染しています。
詳細は以下のブログをご覧ください。
https://nimosaku.blog.ss-blog.jp/2022-01-21

③ 葉菜(3/15 17:58)    ④葉菜(3/15 18:21)
(川俣町山木屋周辺) (川俣町市街地北側)
I-131 1,190,000Bq/kg    I-131 1,230,000Bq/kg
Cs-137 109,000Bq/kg   Cs-137 169,000Bq/kg

もしも、幼児が1日100gを集荷制限の22日まで摂取し続得れば甲状腺等価線量は2.31sV。大人が1日200mg摂取した場合、甲状腺等価線量は0.96sV。100mSvの子どもで23倍、大人で約10倍。

6.環境省は『風評を払拭する為』とありますが、福島県としても以下についての見解を教えてください。
① 『風評』の本来の意味を教えてください。
② ここでの『風評』は具体的に何を想定されていますか?(注9)
③ 『風評被害』とか『風評加害』という言葉は原発事故の加害者である東電と国を消費者や被害者に転嫁していませんか?福島県の見解をお聞かせください。

④ 甲状腺がん患者は「風評被害」の元凶や「風評加害者」なのでしょうか?福島県の見解を聞かせてください。
⑤ 元環境大臣は『風評加害』という言葉まで持ち出し、被害者である福島県民を加害者に仕立てあげています。この問題に対する福島県の見解をお聞かせください

注9:福島県内は放射能に汚染され、今でも住民は原発事故前に比較しても被ばくを強要されて、汚染水も毎日増加しています。更に甲状腺がん患者が増加しています。これは風評ではなく実害ではないでしょうか?

7.『科学的知見の基づく』とありますが、科学的知見とは具体的に何を指していますか?福島県が考える「科学的知見」をすべて上げてください。

8.環境省及び福島県は『「多くの子どもたちが甲状腺がんに苦しみ」という表現が適切ではない』としていますが、266人以上の子どもたちが甲状腺がんに苦しんでいる事は事実です。どこが適切でないのでしょうか?科学的知見に基づいてご説明ください。


         【要請】

環境省及び福島県からの抗議文は事実とは全く異なり、甲状腺がんに苦しむ患者を冒涜し人権すら無視し、患者らに二重、三重の苦しみを与えるものです。更に間違ったメッセージを国会や国民・県民に発出しています。即刻、甲状腺がん患者へ謝罪し、この福島県からの抗議文を撤回する事を要求します。


以上について2月28日までに文章で回答頂きたくお願いいたします。


                     2022年2月14日


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